Project/Area Number |
11J07125
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河部 剛史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 恒常性維持機構 / 恒常性維持増殖 / 腸管指向性 / Th17細胞 / OX40 / 免疫寛容 / 自己免疫疾患 / 炎症性腸疾患 / MHCクラスII |
Research Abstract |
末梢T細胞の恒常性維持機構の解明は、基礎免疫学において極めて重要な課題の一つであるとともに、臨床医学にも直結する大変重要なテーマである。末梢T細胞には、末梢特異的自己抗原や正常細菌叢に対する過剰な免疫応答を抑制する免疫寛容機構、およびリンパ球減少状態により惹起される恒常性維持増殖機構が備わっており、これらの機構により恒常性が維持されると考えられている。我々は平成23年度、MHCクラスII欠損マウスに新生仔胸腺摘出術を施行したものを宿主、野生型マウスをドナーとして胸腺・骨髄同時移植を行ったところ、末梢CD4+T細胞の活性化により宿主マウスは重篤な腸炎を発症することを発見した。これらのことから当初我々は、末梢非血球系細胞のMHCクラスIIが末梢T細胞の免疫応答を負に制御するとの仮説を立て、さらにその詳細な解析を施行する予定であった。しかしながら、この実験系では宿主マウスは新生仔胸腺摘出術を施行されているためリンパ球減少状態を呈しており、ドナーT細胞の恒常性維持増殖により腸炎が誘導されたとの可能性も排除できない。そこで本年度まず、リンパ球減少状態の宿主に移入されたドナーT細胞の恒常性維持増殖を観察した。すると驚くべきことに、移入9日後、1週間に7回以上の「速い増殖」を示すドナーT細胞集団が腸管に極めて特徴的に集積することが明らかになった。これらの細胞は腸間膜リンパ節に由来しており、腸間膜リンパ節における速い増殖が正常細菌叢およびOX40依存的に腸管指向性Th17細胞を生成していた。以上より、腸管Th17細胞の恒常性維持において腸間膜リンパ節が重要な役割を果たすことが示された。このことは腸管粘膜免疫機構を理解する上で重要な知見であると考えられ、炎症性腸疾患など各種炎症性疾患の病態解明および新規治療法の開発につながるものと期待される。
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