Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
概要 含水率40wt%のtetrabutylphosphonium hydroxide ([P4,4,4,4]OH)が、非加熱下において含水木材から多量の多糖類成分を抽出できることを明らかにした。 前景及び意義 我々は、食料と競合しない再生可能エネルギー源であるセルロースバイオマスを利用したエネルギー変換システムの構築を目指し、研究を進めている。近年、温和な条件下で植物バイオマスから多糖類成分を抽出する新規溶媒としてイオン液体が注目されているが、既存のイオン液体は少量の水の存在下で働かなくなるという致命的な欠点を有していた。植物バイオマスは多量の水を含み、イオン液体も吸湿しやすいことから、新たな溶媒の開発が求められた。我々は、近年、多量の水存在下でも効率的にセルロースを溶解できる溶媒として[P4,4,4,4]OH水溶液を見出した。当該年度は、この水溶液を用いて多量の水を含んだ木材から非加熱下での多糖類抽出を試みた。 結果と考察 一般的な広葉樹であるポプラの粉末(36-200mesh)を終濃度5wt%となるよう[P4,4,4,4]OH水溶液(含水率30-70%)に添加し、室温で数時間撹拌した。溶け残りをろ別して得られた溶液に貧溶媒を添加したところ、白色の抽出物が得られ、抽出率は1時間で37%に達した。糖分析の結果、得られた抽出物はセルロースやヘミセルロースを中心とする多糖類成分の混合物であった。この水溶液は多量の水を含んだ木材からも同様に多糖類を抽出可能であり、含水率200%のポプラ粉末から1時間の撹拌でも32%の多糖類を抽出した。また、[P4,4,4,4]OH水溶液の含水率の調整や貧溶媒の選択により、得られる多糖類の組成を変化させられることを明らかとした。
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