ボルデテラ属細菌の新規エフェクターの同定と機能解析
Project/Area Number |
11J07356
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
久留島 潤 北里大学, 大学院・感染制御科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | III型分泌装置 / エフェクター / ボルデテラ属細菌 / 気管支敗血症菌 / 百日咳菌 / 分泌タンパク質 / iTRAQ / 発現制御 |
Research Abstract |
百日咳菌(Bordetella pertussis)に代表されるボルデテラ属細菌は、多くのグラム陰性病原菌と同様に、III型分泌装置依存的に宿主細胞内に注入される機能性タンパク質、エフェクター、が感染に重要な役割を果たしている。本研究ではボルデテラ属細菌の感染機構を明らかにするために、気管支敗血症菌(B. bronchiseptica)を材料として新規III型エフェクターの同定とその機能解析を行なった。iTRAQ法を用いた相対定量プロテオミクス解析により、気管支敗血症菌の野生株とIII型分泌装置欠損株の分泌タンパク質を網羅的に解析した結果、新規III型分泌タンパク質BspR(Bordetella secreted protein regulator)を同定した。TEM1 βラクタマーゼと蛍光レポーターを利用して宿主細胞内移行能を調べた結果、BspRはエフェクターとして宿主細胞内に移行することを明らかにした。気管支敗血症菌のBspR欠損株を構築し、野生株との比較解析を行なったところ、BspR欠損株では野生株に比べてIII型分泌タンパク質の菌体外分泌と遺伝子発現の顕著な亢進が認められた。一方、BspR欠損株では野生株と比べて、繊維状赤血球凝集素、パータクチンなどの付着因子やアデニレートシクラーゼ毒素において発現の減少・消失が認められた。さらに、野生株及びBspR欠損株をマウスに経鼻感染させたところ、野生株感染群では5日後に死亡したのに対して、BspR欠損株感染群では全ての個体が8日間以上生存したことから、BspRはin vivoの感染における主要な病原因子であることが強く示唆された。 以上の研究結果より、新規III型分泌タンパク質BspRはIII型分泌装置依存的に菌体外に分泌される一方、様々な病原因子の発現制御に関与する因子であることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)