Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
変色域の形成程度により, Raffaelea quereivoraの宿主樹木に対する病原力は菌株間で異なると指摘されているが, 枯死の程度や枯死に関わる非通水域の形成程度による評価は行われていない. また, 非通水域の拡大に関与する材内における本菌の菌糸伸長と病原力との関連も明らかではない. そこで本研究では, R. quercivora菌株間の病原力の差異と, その差異と材内における菌糸伸長との関連を明らかにすることを目的とした. 変色域の形成に関わるタンナーゼとラッカーゼ活性を, タンニン酸かABTS添加培地における変色程度で評価した. 日本全国から採取した32菌株の中から, 両酵素活性が異なる4菌株と9菌株を選抜し, それぞれミズナラ苗木に多点, 成木の枝に1点接種を行い, 枯死率と横断面に占める非通水域の割合を算出した. さらに, 1点接種においては材内における菌糸伸長量を計測した. その結果, 菌株間で両酵素活性と枯死率, 非通水域の割合, 菌糸伸長量は有意に異なった. さらに, 両酵素活性と枯死率, 非通水域の割合との間に関連はみられなかったが, 菌株間の菌糸伸長量の違いは, 枯死率や非通水域の割合の違いと一致する傾向にあった. 以上より, 本菌の病原力は菌株間で異なるが, 両酵素活性の関与は極めて低いと示唆された. さらに, 菌株間の病原力の差異には, 材内における菌糸伸展の程度が関与すると示唆された. 現在までに行った研究の一部を, 博士論文として取りまとめた.
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