Project/Area Number |
11J07881
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Agro-economics
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐藤 奨平 日本大学, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | うま味調味料 / イノベーション / 調整者 / 分解抽出法 / アミノ酸発酵法 / 食文化 / 食品産業 / 食生活 |
Research Abstract |
うま味調味料産業企業についての社史、伝記、業界団体史、技術資料・史料などのアーカイブズ所蔵の資料群を蒐集・分析しつつ、その内容を業界誌、統計資料、既存の研究成果に依って確認・検証し、さらに詳細な実態把握のために当該企業および業界団体関係者らへの面接調査や内部資料・史料の閲覧・分析を遂行した。また本研究は個別企業経営史ではなく産業経営史であることから、一部に産業組織論の視点を援用した。うま味調味料産業の歴史的展開、とくに技術革新による産業構造変化の解明を中心として分析した。 以上の研究成果は、これまで行ってきた日本農業経済学会、日本フードシステム学会、日本家政学会食文化研究部会の各学会での個別報告の内容、『日本農業経済学会論文集』、『フードシステム研究』、『食品経済研究』誌上での原著論文の内容を基に博士学位申請論文「うま味調味料産業の経営史的研究-技術革新による産業構造変化の解明-」として体系化することができた(同論文の構成は次の通りである。序章「うま味調味料産業の経営史的研究視点」、第1章「分解抽出法発明の革新的意義-池田菊苗のうま味研究への食文化的影響-」、第2章「グルタミン酸発酵発明の革新的意義-根本的技術革新としての経営史的評価-」、第3章「リジン発酵発明の革新的意義-根本的・漸進的技術革新としての経営史的評価-」、第4章「アミノ酸発酵法特許係争における調整者の登場-山本為三郎の企業者精神の形成-」、第5章「アミノ酸発酵法特許係争調整過程の構造的鮮明化-山本為三郎の企業者精神の具体的適応-」、第6章「うま味調味料産業の構造変化-産業財への転換と食品産業の発展-」、終章「総括」)。 うま味調味料技術革新の意義および食品産業・食生活への影響を具体的に解明し、さらに残された課題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画においては、家庭用向けから業務・加工用向けへの転換過程を中心とするうま味調味料産業の構造・動態の変容を解明することを目的としていたが、1年目にこれを遂行することができた。さらに当初においては、それまでの研究成果とそれからの研究成果とを「経営史的研究」として統合するために、2年目において厳密な調整を行いつつ博士論文として体系化する計画であったが、これも1年目に達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の遂行によって、うま味調味料技術革新の意義および食品産業・食生活への影響が具体的に解明され、さらに残された課題が明らかにされた。本研究においては、経営史学的アプローチによって、うま味調味料産業の技術革新(主としてアミノ酸発酵法発明)による産業構造変化について解明し、一定の達成が得られた。今後はさらに視野を広げて、うま味調味料産業から創始された「アミノ酸発酵産業」についての社会科学的研究が必要となっている。まずはその前段的作業として、本研究の残された課題でもある、アミノ酸発酵産業の技術者・経営者らについての企業者史的分析を遂行したい。アミノ酸発酵産業の産業構造および産業発展ダイナミズムの解明は、その企業者史的分析から得られた知見の活用によって、より一層進展・深化するものと考えられるからである。
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