Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
主な膜翅目昆虫のオス個体は半数体であり, 精子形成の際には精母細胞が体細胞分裂様に分裂(成熟分裂)し, 減数分裂を行なわない。しかし, 近年の膜翅目昆虫(セイヨウミツバチやキョウソヤドリコバチ)のゲノム解析の結果では, キイロショウジョウバエにおいてオス特異的な減数分裂のエントリーに必要とされる遺伝子であるboule (bol)が認められており, 減数分裂を行なわない精子形成をする膜翅目にとって, その機能は謎とされていた。本研究は, bolに焦点をあて, 半-倍数性への進化の謎に対して発生遺伝学的ツールにより明らかにした。 これまで, 膜翅目昆虫のカブラハバチのbolにおいて, 複数の転写産物が生じるが, 成熟分裂ステージである前蛹-蛹初期の精巣で特異的に発現する分子種が存在すること, bolの分子種にやや遅れてcdc25が精巣にて発現すること, Larval RNAiやParental RNAiによる遺伝子機能阻害(ノックダウン)実験により, どちらの遺伝子についても機能が阻害されると正常に精子形成が進行しないことを明らかにしてきた。本年度においては, 精母細胞および精細胞のフローサイトメトリー解析により, bolおよびcdc25をノックダウンした個体の精子形成では、精母細胞における染色体の倍加(半数体から二倍体)は生じるものの, その後の分裂は進行せずに二倍体の精母細胞のままストップすることを明らかにした。また, cdc25をノックダウンした個体では正常な成熟分裂が生じないにも関わらず, 不完全な精子分化を生じる細胞が認められた, 一方で, bolをノックダウンした個体では精子分化する細胞は認められなかった。したがって, 膜翅目の半数体オス個体の精子形成においても, 成熟分裂(二倍体から半数体への分裂ステージ)や精子分化の機能にbolは必須であると考えられる。
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