Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は, 正確かつ高精度な肺腫瘍位置変動予測に基づく, 呼吸性移動を伴う肺腫瘍への汎用放射線治療装置による追尾照射の実用化である. 汎用放射線治療装置の多くは, 体内腫瘍位置の計測手段としてX線透視装置, そしてビーム照射範囲の動的な制御手段としてマルチリーフコリメータとを備えている. これらを活用することで, リアルタイムな腫瘍位置計測とそれに基づく適応的な照射範囲制御による追尾照射の実現が期待される. しかし, 計測から照射制御の完了までには, 最大数百ミリ秒程度の処理時間が必要であり, この間にも腫瘍は移動を続ける. この照射の遅れを補償し追尾照射を実現するためには, 正確・高精度な腫瘍位置の未来予測の開発が不可欠である. 本年度は, これまでに提案している適応的時変季節性自己回帰(adaptive time-varying seasonal autoregressive)モデルに基づく肺腫瘍位置予測法の信頼性を検証するため, 300例を超える大規模な臨床データセットを用いての予測実験を進め, サポートベクター回帰やウェーブレット分解に基づく線形適応フィルタなど, 複数の最新肺腫瘍位置予測法との性能比較を行った. その結果, 提案法である適応的TVSARモデルは, 数十ミリ秒先の予測においては, 他の予測法のうち最良のものに匹敵し, また数百ミリ秒先の予測では最小の平均予測誤差を達成することが確認された. この結果は, 適応的TVSARモデルが世界トップクラスの肺腫瘍位置予測性能を有することを示唆するものである. また, 適応的TVSARを実装した評価用ソフトウェアが医療機器メーカによって試験された結果, メーカ側実装の手法よりも高い予測性能が認められるなど, 実用化に向けて, 更なる進展も得られた. このほか, TVSARモデルを含めた複数予測法の結果を混合する手法を提案し, これによって予測性能をさらに高めることが可能であることを示した.
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