Project/Area Number |
11J08609
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
数理物理・物性基礎(理論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越智 正之 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 計算物性物理 / 第一原理計算 / 強相関系 / 高精度計算 / 基礎的な半導体物性 / 方法論開発 |
Research Abstract |
今日、第一原理計算に基づく物質科学は、固体物性の微視的理解、またそれに基づく材料設計など、幅広い目的で利用されている。しかし、従来手法では精度の面から取り扱いが困難な系が存在することも広く知られており、本研究課題はその問題を解決するため、「トランスコリレイティッド(TC)法」の理論開発を目的としている。平成25年度は以下の成果が得られた。(1)ジャストロウ因子の最適化手法の幅広い適用 : 平成24年度までに開発してきたジャストロウ因子の最適化手法を、より広い範囲、具体的には水素化リチウムのようなイオン結合性の結晶も含めて適用した。そうした結晶の格子定数も改善されることを確かめ、これらの成果を論文として投稿し、受理された。(2)固体の光吸収スペクトルの高精度な第一原理計算手法の適用 : こちらも平成24年度までに開発してきた手法をより広い範囲に適用した。具体的には、バンドギャップの小さいヒ化ガリウムにも適用し、その光吸収スペクトルの精度が従来の波動関数理論に基づく第一原理計算と比べてよく改善されることを確かめた。(3)MP摂動論とTC法を組み合わせたバンド計算 : 上述(1)のジャストロウ因子最適化によりTC法のバンド計算の精度は向上したが、まだ必ずしも十分ではなく、その精度の重要性は(2)のスペクトル計算にも深く関わることも確かめられた。そこでMP摂動論とTC法を組み合わせ、より高精度なバンド計算を試みた。その結果、MP摂動論の二次の範囲ではTC法のバンド構造は多くの場合あまり変わらないことがわかり、さらなるジャストロウ因子の改善が重要であることを突き止めた。以上、(1)~(3)までの成果は、波動関数理論の固体への適用可能性を従来よりも大幅に広めたものであり、今後の高精度計算の実現に向けた方法論開発において重要な知見を与えるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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