環境改変に伴う魚類の生活史変化が湖沼生態系に及ぼす波及効果の解明
Project/Area Number |
11J08703
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Agricultural environmental engineering
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
満尾 世志人 龍谷大学, 研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 湖沼 / 魚類 / 移動 |
Research Abstract |
これまで多くの湖沼において沈水植物と共に多大な生物多様性を急激に失うレジームシフトが観察されてきた。こうした湖沼のレジームシフトには、湖沼・河川間など異なる生息地間を移動する魚類の生態が強く関連すると考えられ、水域ネットワークの分断がレジームシフトの引き金となることも予測される。そこで本研究では、魚類による生息地間の移動が、動物プランクトンへの捕食圧変化などを介して湖沼生態系に与える波及効果を明らかにすることを目的とした。 本年度は、これまでの予備調査結果を踏まえ、岩手県南部のため池群を対象に魚類の移動状況と湖沼環境及びプランクトン群集について踏査を実施した。調査対象とするため池は、主に周辺水域との接続状況を判断基準に選定を行い、魚類によるため池外への移動が可能な池と不可能な池の両方を含めた。調査項目は移動魚類の種組成・個体数、池内魚類相、池内及び流入水路における動物プランクトン相、池内及び流入水路の環境条件とし、調査は3期(6月、8月、10月)に分けて実施した。移動魚類に関しては、ため池と流入水路の接続部に小型の定置網を設置し捕獲を行った。定置網の設置時間は24時間とし、これを各期について2回実施した。 調査の結果、ドジョウをはじめとした多くの魚類による移動が確認され、8月の調査時において移動魚種数・個体数ともに最も多くなった。また、魚類による移動の有無によって池内の透視度に有意な差が認められ、魚類の移動が湖沼生態系の状態に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
魚類の移動状況や湖沼生態系に関するデータが得られており、概ね研究計画に沿った成果を得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
プランクトン群集のサンプリング処理を進め、魚類の移動による波及効果についてより具体的に解析を行っていく。また今後は、これまでの調査から得られた成果を基に、水域ネットワークの復元が魚類の移動生態や湖沼生態系に及ぼす影響について野外操作実験等による調査を検討していきたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)