Project/Area Number |
11J08747
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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Research Institution | Kinki University (2012) Osaka City University (2011) |
Principal Investigator |
伊形 尚久 近畿大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ブラックホール / ブラックリング / 相対論 / 測地線 / ストリング / 高次元 / 磁場 / 粒子加速 |
Research Abstract |
4次元時空および高次元時空における球対称ブラックホールにおいて,ホライズンの外側にゼロ質量粒子の安定円軌道は存在しないことが知られている.一方,より複雑な重力場の構造をもつブラックリング時空において,ゼロ質量粒子の安定束縛軌道の存在は自明ではない.そこで1回転ブラックリング時空におけるゼロ質量粒子の描く光的測地線の解析を行った.その結果,細いブラックリング時空において,ゼロ質量粒子の安定束縛軌道の存在を確認し,太いブラックリングでそれが存在しなくなることを明らかにした.さらにゼロ質量粒子の安定束縛軌道の存在と非存在の境界を与えるパラメータを数値的な手法を用いて決定した.細いブラックリングのホライズン近傍の構造はブラックストリングのそれと近似的にみなすことが可能なため,余剰次元方向の軌道角運動量が4次元時空の断面からみたときの実効的な粒子の質量の役割を果たすことからその存在が理解できる.したがって,今回得られた臨界パラメータは,ブラックストリング近似が破れるひとつの基準を与えているということができる.また本研究結果は,漸近的平坦な時空においてゼロ質量粒子が存在する初めて報告された例である.ゼロ質量粒子は,ゼロ質量の波動の短波長極限として実現するため,ブラックリング時空におけるテスト場のダイナミクスや重力場摂動の安定性の議論にいくつかの示唆を与えることが期待される.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)