Project/Area Number |
11J08926
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岸本 圭史 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 脂肪細胞分化 / fad104 / 肺形成 / 骨芽細胞分化 / 肺胞上皮II型細胞 / 骨形成 / BMP / Smad |
Research Abstract |
当研究室では、脂肪細胞分化初期に発現が上昇する新規遺伝子fad104が脂肪細胞の分化を正に制御する一方で、マウス胎児由来線維芽細胞MEFの骨芽細胞分化を負に制御すること、樹立したfad104欠損マウスが出生直後に死亡することを報告してきた。さらに、昨年度の検討においてfad104欠損マウスは肺形成、特に肺胞上皮細胞の分化が阻害されること、fad104がBMP/Smadシグナルを負に制御することにより、頭蓋の骨芽細胞分化を阻害することを明らかとした。今年度は、骨芽細胞分化におけるfad104の機能を解明することを目指し検討を進めた。その結果、以下に示す研究成果を得た。 1)免疫沈降法およびGST-pull down assayより、FAD104がSmad1/5/8と相互作用すること、加えて、FAD104N末端領域がSmad1/5/8と相互作用することを明らかとした。 2)FAD104のN末端領域がSmad1/5/8のリン酸化制御に関与するか否かについて検討した。その結果、FLAG-FAD104の発現により、Smad1/5/8のリン酸化レベルが減弱した一方で、FLAG-FAD104ΔNを発現してもSmad1/5/8のリン酸化レベルに変化は認められなかった。この結果から、FAD104はN末端領域を介してSmad1/5/8のリン酸化制御を負に制御していることが明らかとなった。 以上の結果から、fad104がSmad1/5/8と相互作用すること、さらには、FAD104によるSmad1/5/8のリン酸化レベルの制御には、FAD104のN末端領域が極めて重要な役割を担っていることを新たに見出した。今後、fad104が機能する分子機構をより詳細に解明することによって、肥満や骨代謝疾患、新生児疾患克服に向けてのfad104に着目した創薬開発の基盤が確立されることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究から、FAD104がSmad1/5/8と相互作用すること、FAD104によるSmad1/5/8のリン酸化レベルの制御にはproline rich領域を含むFAD104のN末端領域が重要であることを新たに見出した。これらの研究成果は、これまで不明であったFAD104によるBMPISmadシグナルの調節機構の一端を明らかとするものであり、fad104の機能する分子機構を解明するという本研究の目的達成に大きく寄与する成果であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題において、脂肪細胞分化関連遺伝子fad104が胎生期の肺胞上皮細胞の分化に必須であること、BMP/Smadシグナルを阻害し、骨芽細胞分化を負に制御すること、加えて、頭蓋の正常な骨形成に重要であることを見出した。さらに、fad104がSmad1/5/8と相互作用することが分かった。今後は、fad104がSmad1/5/8と相互作用することにより、如何にSmad1/5/8のリン酸化レベルを調節しているかについて詳細に検討する必要がある。 また、本研究により、胎生期においてfad104が肺形成や骨形成を制御することが分かったが、成体における役割については不明である。今後、組織あるいは時期特異的なfad104の欠損マウス、過剰発現マウスを樹立し、成体におけるfad104の役割についても明らかとしていく必要がある。
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