Project/Area Number |
11J09209
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
放射線科学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中神 龍太朗 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 高周波磁場分布計測 / 9.4テスラMRI装置 / MRスペクトロスコピー / 5-fluorouracil / 低分子量代謝物 / 180°signal minimum法 / ケモ・ブレイン / 5-フルオロウラシル |
Research Abstract |
本研究の目的は、高周波磁場(B^+_1)変動による計測誤差を補正したMRスペクトロスコピー(MRS)計測により疾患の診断精度が上昇するか、動物モデルと9.4テスラMRI装置を用いて検討することである。平成25年度では、引き続き5-fluorouracil (5-FU)を投与したラットモデルを作製し、5-FU投与により脳内低分子量代謝物濃度変動があるか、神経細胞・グリア傷害が生じるか、検討した。 まず、5-FU投与(n=ll)、対照ラット(n=ll)のin vitro ^1H-NMR計測結果に対して詳細な解析を加え、投与9日後の全脳における代謝物変動を検討した。測定に際し、正確な定量測定を行うため、既知濃度の内部標準物質を加えることで脳組織の過塩素酸抽出処理間における代謝物回収率を算出し、損失分を補正する新たな補正法を利用した。その結果、5-FU投与ラットでは5-FU投与に関連したTau, alanine (Ala)濃度低下が明らかとなった。次に、昨年度より症例数増やし、5-FU投与(n=17)、対照ラット(n=17)を対象にin vivo ^1H-MRS計測を行い、投与9日後の左海馬における代謝物濃度変動を検討した。各群6匹を対象にMRS測定後、脳灌流固定を行い、抜脳、脳の組織学的検索を行った。結果として、5-FU投与群ではGln濃度が有意に低下した。脳の組織学的検討では、両群で脳の構造異常を認めなかった。グリア細胞を染めるGlutamine synthetase (GS)染色の結果、陽性細胞数が投与群で16%低下し、Gln濃度低下と関連する結果が得られた。 以上より、超高磁場9.4TeslaMRI装置を用いたMRS計測により5-FU投与後の脳内における代謝物濃度変動を検出することに成功し、投与9日後の比較的早期にGln、Tau濃度低下が生じることを本研究において初めて明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5-FU投与ラットモデル数を追加し、海馬および全脳における低分子量代謝物濃度変動を調査した。その結果、5-FU投与に関連したGln, Tau濃度低下を本研究で初めて明らかとし、本モデルが研究目的を達成するモデルとして適していることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
疾患モデルを作製し、モデルの有用性の検討はできた。今後は、高周波磁場(B^+_1)変動による計測誤差を補正したプロトン密度計測を行い、より高精度なMRS計測を目指す必要がある。現在、MRS計測で得られた生データは商用ソフトウェアにおいて計測を行っている。このソフトウェアでは、脳内水分量(プロトン密度)を指標として低分子量代謝物の定量を行うが、プロトン密度は脳の計測領域やB^+_1変動により変動することが考えられる。したがって、B^+_1補正を施した計測により正確なプロトン密度を定量することが必要である。
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