ゲルマニウム/高誘電率ゲート絶縁膜界面の電子物性及び材料物性的理解と制御の研究
Project/Area Number |
11J09337
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electron device/Electronic equipment
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田畑 俊行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ゲルマニウム / 高誘電率ゲート絶縁膜 / 窒化膜 / AlN / 不活性ガス / ゲートスタック / CMOS / MOSFET / 電子デバイス / 半導体物性 / 表面・界面物性 / 半導体超微細化 |
Research Abstract |
Ge-CMOSの実現には、高温(~600℃)での良好なGe(ゲルマニウム)/高誘電率ゲート絶縁膜界面の電気特性とゲートスタックのEOT換算で1nm以下の薄膜化を同時に実現しなくてはならない。本年度は、昨年度末に着手したAlN(アルミ窒化物)薄膜をゲート絶縁膜に用いたGeゲートスタックについて、その界面形成の理解と制御を目的とした一連の研究を進めた。研究実施計画に従って順に述べる。Themal Desorption Spectroscopyによる脱離ガス分析によりAIN/Ge界面からのN2脱離を観測し、一方でNOやGeOなどのガスは検出されなかったことから、Am/Ge界面安定化には界面のN原子が中心的役割を担っていることを突き止めた。熱力学的には、GeO2中に添加されたN原子は0原子の化学ポテンシャルを低下させるが、これによりAIN/Ge界面におけるGe-0結合が安定化され、GeO2/Ge界面に見られるような高温(~600℃)でのGeO脱離を起こさずに界面の再構成を行うことができると考えられる。これまで一般的に用いられてきた酸化物ゲート絶縁膜と02アニールを用いたGeゲートスタックにおいては、その界面にいかに極薄のGeO2, GeOx, GeOxNyを作るかが界面安定化と制御の鍵であったが(しかも、それは500℃以下でしか熱的に安定ではない)、AIN/Geゲートスタックでは同様の界面をまったく新しい方法で(しかも高温プロセスに耐え得るという改善を加えて)形成したことになる。さらに、界面からのN2脱離の制御には高圧不活性ガスが効くことも明らかにした。これはAIN表面でN2脱離が抑えられることによってAIN膜内のN原子濃度が維持されるためだと考えられるが、不活性ガス一般が効くと言うことで反応性の効果ではなく、現象として非常に面白い発見であった。また、EOT薄膜化についてはこれを0.88nmまで実現し、1nm以下という目標を達成した。Ge-NMOSFETでの動作も実証し、良好な特性を得た。さらに、Internal Photoemissionにより伝導帯側オフセットが2eV以上であることを示し、AIN薄膜がGe基板に対するゲート絶縁膜として有用であることを確認した。この高い伝導帯オフセットは高温の窒素アニール後でも維持された。これらの一連の成果は、論文(Appl. Phys. Express, 5,091002(2012))及び学会(第60回応用物理学会春季講演会28p-G2-9、2012SSDM予稿集pp.741-742)にて発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)