Project/Area Number |
11J09376
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國見 昌哉 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 超流動 / 臨界速度 / 冷却原子気体 / 量子渦 / 超流動固体 / 励起スペクトル / 動的臨界現象 / ボース・アインシュタイン凝縮 / ソリトン / ボゴリューボフ励起 |
Research Abstract |
近年、冷却原子系において、リング型のトラップ中のBose-Einstein凝縮体(BEC)の超流動性の実験的研究が盛んに行なわれている。この系の特徴は、多重連結性を持つことである。これにより、実現する超流動状態が単連結な系と比べ制限される。また、多彩な準安定状態を持つことが知られているなど、超流動の基本的性質を研究するのに適した系である。 本研究では、Wright et al., PRL 110, 025302 (2013). の実験を念頭に置き、BEC中を一定速度で動く障害物ポテンシャルがある系の超流動性をGross-Pitaevskii方程式とBogoliubov方程式を用いて調べた。特に、励起状態に焦点を当てた研究を行なった。空間2次元以上の系で流れを阻害するポテンシャルがある場合の励起状態の計算は難しく、いままで行なわれていなかった。本研究では、以前の研究(M. Kunimi and Y. Kato, PRB 86, 060510(R) (2012))で用いた手法を応用し、励起スペクトルの計算を行なった。 得られた結果をまとめると以下のようになる : (1)Swallow-tai1構造の出現(2)臨界速度近傍でのスケーリング則の発見(3)臨界速度近傍での密度ゆらぎの増大。(1)は主に、光学格子系で議論されている特徴的なエネルギーの速度依存性であるSwallow-tail構造が2次元のトーラス系でも出現することを示した結果である。(2)については、臨界速度近傍で第1励起エネルギーが|vc-v|^{1/4}(vは速度、vcは臨界速度)のようなスケーリング則に従うことを示した結果である。この物理的意味は臨界速度近傍で断熱性が破れ、系が不安定化するというものである。(3)については臨界速度近傍で密度(秩序変数の振幅)ゆらぎが大きな増大を示すというものである。この現象は超流動の崩壊の前駆現象とみなせる。 本研究の結果では、臨界速度以上で量子渦が発生する系の励起状態を初めて明らかにした。量子渦の生成の理解は超流動の理解へとつながるため、このような基本的性質を明らかにした意義は大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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