実機条件における原子炉圧力容器鋼中の不純物元素拡散係数の導出
Project/Area Number |
11J09980
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蔵本 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 原子炉圧力容器鋼 / 不純物拡散 / 3次元アトムプローブ / 拡散 / Cu析出物 |
Research Abstract |
この研究は原子炉圧力容器鋼中のCu等の不純物元素の拡散係数を原子炉稼働時の圧力容器の温度(300℃)に、できるだけ近い温度において、実験的に求めることを目的としている。本年度は3次元アトムプローブを用いて550℃における純Fe中のCuの拡散係数を求めた。これまではSaljeらが、700℃付近の拡散係数を実験で求めたものが最も低温の領域で求めた値であったが、3次元アトムプローブを用いてFe中の不純物拡散を観察することで従来よりもわずかな拡散長で拡散係数を求めることが可能となり、より低温で拡散係数を求めることができるようになった。 純FeにCuを蒸着し、550℃で10^6秒間焼鈍した試料を3次元アトムプローブ観察した。純Fe中においてCuが蒸着面から拡散している様子が観察され、その濃度分布を求めることができた。濃度分布から拡散係数を導出すると、約4×10^<-11>[cm^2/s]であることが分かった。この結果を過去の研究例と比較すると、1977年にSaljeらが求めたものから外挿して求めた値と比較してわずかに高く、1968年にRothmanらが求めた値から外挿した値より低いことが分かった。また、拡散したCuの空間分布から、Cu原子同士の相互作用により局所的にCuが集まっている可能性が示唆された。このように、原子の空間分布を観察できる3次元アトムプローブを用いることで不純物拡散時のそれらの相互作用が拡散に及ぼす影響を調べることが可能となりつつある。 以上のように、原子炉稼働時の圧力容器の温度に従来よりも近い温度で実験的に拡散係数を求めることができた。この結果は、より信頼性の高いFe中のCuの拡散係数として今後活用されることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、低温でのFe中のCuの拡散係数を求めることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)