Project/Area Number |
11J10441
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
システムゲノム科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齊藤 健 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | シグナル伝達 / 定量的イメージサイトメトリー / システム同定 / 時系列データ解析 / 初期応答遺伝子 / 定量的イメージサイトメトリ |
Research Abstract |
シグナル伝達経路を構成する分子の時系列データに情報が含まれており、その情報が下流にどのように処理され伝わっていくかを理解すること、すなわち分子ネットワークのシステム特性を理解することで生命システムの本質的な理解に繋がると考えられます。申請者は、シグナル分子の活性や下流の遺伝子発現量を定量的かつハイスループットに取得可能な自動分注ロボットによる定量的イメージサイトメトリーを用いて、シグナル伝達経路の中心的な因子であるERKをはじめとするMAPKs,および転写因子CREBによるIEGs(c-FOS, EGR1, c-JUN, FOSB, JUNB)の時間パターンに基づく発現誘導機構を非線形ARXモデルにより解析しました。結果、EGR1は、c-FOSに比べてERKの一過性の時間パターンに強く応答することが予測され、実験で検証されました。加えて、EGR1はNGFパルス状刺激の間隔を短くすることでステップ刺激に比べて強く誘導できることを実験的に導きました。今までのシステム生物学では、既知の分子ネットワーク(経路)に基づき常微分方程式によりモデルを作成する手法が一般的でした。しかしながら、分子ネットワークが詳細に分かっている経路は限られており適用範囲が狭いという問題点がありました。この問題の解決には経路が未知の場合でも入出力関係をデータから記述する統計的手法が適していると考えられますが、これまでの測定手法ではこのような解析を行うには精度・データ数が十分ではなく限界がありました。申請者は大量の時系列データを計測する手法および、統計的な解析手法を組み合わせることで、経路が未知な場合であっても、精度の良いモデルを作り、経路のシステムの特性を明らかにできることを世界で初めて示しました。本研究により、実験データに基づくシステム生物学研究の新たな方向性を提示することが出来たと考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目的では、一過性のERKの活性に選択的に応答する初期応答遺伝子を探し、そのメカニズムを解析することでした。本研究により、EGR1は、c-FOSに比べてERKの一過性の時間パターンに強く応答することが予測され、実験で検証されそのメカニズムに迫ることができました。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により、細胞の分化を誘導するデコーダーの候補としてcFOSが選定され、細胞の増殖を誘導するデコーダーの候補としてEGR1が選定されました。今後はsiRNAの実験により、それぞれの初期応答遺伝子が表現型にどのような影響を与えるか解析していく予定です。また、初期応答遺伝子の発現制御機構に関して、どのようなネットワーク構造・制御関係によって一過性の時間パターンを抽出しているのかモデルの解析を進めていくことを考えています。
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