Project/Area Number |
11J10973
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
システムゲノム科学
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
清水 康平 愛媛大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | Nek5 / カスパーゼ / 筋分化 / アポトーシス / プロテインキナーゼ / プロテインカイネース / シグナル伝達 / TRB3 / FRET / コムギ胚芽無細胞タンパク質合成 |
Research Abstract |
カスパーゼ(CASP)の活性化とそれに伴う基質切断は、主にアポトーシスの誘導・実行に関与する事が報告されてきたが、近年では細胞分化におけるシグナル伝達制御の重要な要素としても認識されてきた。本年度は、細胞分化におけるCASP依存シグナル伝達の役割の解明に向け、骨格筋分化をモデル系とし、分化誘導時にCASP3の活性化が確認されているマウス筋芽細胞株C2C12を利用して、本研究において同定してきたCASP3の基質キナーゼが筋分化に与える影響について検討した。筋分化後期に特異的に発現するミオシン重鎖の発現量増大を指標に、過剰発現解析によりスクリーニングした結果、Nek5が筋分化の促進に関与する可能性を見出した。さらに、定量的RT-PCRによる転写物発現解析により筋分化に伴いNek5の発現が上昇する事を明らかとし、この発現上昇をRNAiによりノックダウンすると筋分化が著しく抑制される事から、Nek5が筋分化の促進に寄与する事が明らかとなった。Nek5のCASP3による切断が筋分化制御に関与する可能性を考慮し、実際に筋分化過程の切断が観測されるか検証したところ、筋分化誘導に伴い活性化したCASP3によりNek5が切断される事が明らかとなった。そこで、切断の意義を検討するため、野生型Nek5、切断回避型点変異体、及び切断型変異体を用いて一過性過剰発現解析を行った結果、Nek5の切断は、Nek5が元来有するカスパーゼ活性化能を充進する事が明らかとなった。また、その結果、筋分化の促進に部分的に寄与するものの、細胞がより優先的にアポトーシスにコミットする確率を高めている事も明らかとなった。以上の結果から、Nek5はCASP活性を上方調節する事で効率的な筋分化環境を提供している可能性が示された。本成果は、動物においてこれまで性状が不明であったNek5の機能的役割を提示した初めての証拠である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目以降は一年目に同定した基質の個別解析を計画していたが、二年目にはアポトーシス、三年目には細胞分化におけるカスパーゼ依存シグナル伝達の役割の一端を解明する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、新たに開発した生化学的手法を基盤としたプロテアーゼ基質の網羅的探索システムを活用することで、これまで見出せなかった多くの新規カスパーゼ基質を同定する事に成功した。主に基質プロテインキナーゼの解析が中心となったが、プロテインキナーゼつとっても多くの新規基質、新規知見が明らかとなった。この事は、同定されていないカスパーゼ基質がまだ多数存在している事を示唆している。本研究を一つのモデルとして、さらに基質の標的を広げ、新たな基質を同定し、解析を進めて行く事で、より詳細なカスパーゼ依存シグナル伝達経路が描かれると期待できる。
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