カタユウレイボヤの胚発生におけるレチノイン酸の機能解析
Project/Area Number |
11J11025
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
神田 美幸 高知大学, 総合人間自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | Hox / レチノイン酸 / 遺伝子発現調節 / 発生・分化 / 脊索動物 / 進化 |
Research Abstract |
カタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)におけるレチノイン酸(RA)標的遺伝子Ci-Hox1の転写調節機構の解析から,Ci-Hox1のエンハンサーにはRA受容体が結合する配列RARE (retinoic acid response element)が二つあることが明らかとなった.一つは5'上流領域に存在するRAREであり,これはCi-Hox1の表皮エンハンサーを活性化している.もう一つは第2イントロン中に存在しているRAREであり,Ci-Hox1の神経索エンハンサーの活性化を担っている.表皮エンハンサー中のRAREに点突然変異を入れると,表皮でのエンハンサ「活性が完全に消失し,RAに対する応答性もなくなった.神経索エンハンサーを活性化するRAREが機能しない状態になると,神経索での発現は著しく減少したが,わずかな発現が認められた.そしてRAに対する応答性は消失した.このことから,神経索でのCi-Hox1の発現はRAではない別の因子によっても制御されていることが示唆された.以上のことから,Ci-Hox1の表皮における発現は完全にRAに依存して制御されており,神経索における発現はRA依存的なメカニズムとRA非依存的なメカニズムの両方で制御されていると考えられる. ホヤと同じ尾索動物に属するオタマボヤ(Oikopleura dioica)のHox1遺伝子の5'上流領域はカタユウレイボヤ胚において神経索でのエンハンサー活性を持つことが明らかとなった.また,このエンハンサーはRAによって活性化されることはなかった.このことから,上述したカタユウレイボヤにおけるRA非依存的な転写制御メカニズムがはたらいて,神経索での発現を引き起こしたのかもしれない.そうだとすれば,Hox1遺伝子のRA非依存的な転写制御機構がカタユウレイボヤとオタマボヤにおいて進化的に保存されていると推察される.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)