新規抗動脈硬化症薬開発を指向した脂質輸送担体の分解を司るユビキチンリガーゼの探索
Project/Area Number |
11J11195
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 忠快 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ABCA1 / Ubiquitin / Atherosclerosis / ESCRT / ユビキチン |
Research Abstract |
本研究では、ABCA1の細胞膜上でのユビキチン化を制御しているユビキチンリガーゼの同定が目標としている。 昨年度の細胞膜上ABCA1のユビキチン化を指標としたスクリーニングによって絞り込まれた4つの候補ユビキチンリガーゼの詳細な解析に取り組んだ。一方、ユビキチンリガーゼの探索に平行して、細胞膜上ABCA1のユビキチン化に起因するリソソームでの分解経路の生体のでの重要性を検討すべく、ABCA1のユビキチン化に変化を与えるパーターベーションを探索も行っていた。結果、ヒト肝癌由来の培養細胞、HepG2細胞や、マウス腹腔マクロファージにおいて、脂質蓄積時や過剰なコレステロールより産生されるオキシステロールをリガンドとするLXRbを活性化することでABCA1のUb化が上昇し、細胞膜上からの分解速度が上昇することを見出した。通常状態よりもLXRb活性化状態の方がユビキチン化制御の効果が検出しやすいと考え、HepG2細胞に対してLXRリガンドを処理した条件下にて、s iRNAを用いた候補ユビキチンリガーゼのノックダウンを行い、その細胞膜上ABCA1の発現量を評価した。結果、一つのユビキチンリガーゼをノックダウンした際に発現量増加が認められた。以降、このユビキチンリガーゼをE3-Xと呼称する。E3-Xは通常状態では細胞膜上ABCA1の分解速度に影響を与えなかった一方、LXRリガンド処理下で分解を抑制することが明らかとなり、またこのときABCA1のコレステロール排出機能上昇も確認された。免疫沈降法による相互作用試験の結果、COS1細胞に対し強制発現させたE3-XとABCA1は相互作用することがわかった。さらに同じ強制発現系において免疫染色法による局在解析を行ったところ、E3-Xは細胞膜上、あるいは細胞膜近傍の領域でABCA1と共局在していることがわかった。全反射顕微鏡を用いた局在解析においても同様に共局在が認められたので、E3-XとABCA1は少なくとも細胞膜上、あるいはその近傍において共局在しているものと推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞膜上ABCA1のユビキチン化を担うユビキチンリガーゼの候補となるE3-Xを見出すことに成功した。培養細胞におけるE3-Xのノックダウンにより細胞膜上ABCA1の分解が抑制され、その発現量が上昇し、機能の上昇も認められた。本成果は、申請者が掲げる細胞膜タンパク質のユビキチン化を起点とする細胞膜上からの分解を、ユビキチン化を阻害することによって抑制し、機能上昇につなげるというコンセプトを支持するものである
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Strategy for Future Research Activity |
In vitro培養細胞系においてE3-Xが細胞膜上ABCA1のユビキチン化を担う因子として機能することが明らかとなった。今後はE3-Xが実際に生体においてもABcA1のUb化を制御しているか否かを検討するためにin vivo試験が必須である。ABCA1は肝臓に強発現し、高密度リボタンバク質(HDL)コレステロール合成の起端となるため、アデノウィルスを用いて肝臓でのE3-Xのin vivoノックダウンを行い、ABCA1の発現量、ユピキチン化レベルといったABCA1に対する影響を確認し、血中コレステロールレベルやHDLコレステロールレベルの測定を行う。 またE3-XはABCA1の細胞膜上発現量だけでなく、細胞全体での発現量も上昇させることがわかっている。 ABCA1の細胞内での機能は未だ不明な点が多く、E3-Xが細胞内ABCA1の制御も担っているか否かの検討は重要な検討課題である。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)