ホヤ中枢神経系における遺伝子調節ネットワークのモデル化と検証
Project/Area Number |
11J40094
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 薫 (今井 薫) 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ゲノム |
Research Abstract |
ホヤ中枢神経系における遺伝子ネットワークの研究で、ホヤの原腸胚から尾芽胚期にかけて中枢神経系に発現する転写因子、およびシグナル分子の発現パターンを網羅的に調べた。その過程で、ADMPと呼ばれるBMP(骨形成タンパク)ファミリーに属するシグナル分子とそのアンタゴニストであるPinheadというベアの遺伝子について興味深い結果を得た。この2つの遺伝子はゲノム上で隣り合って並んでおり、一方が転写される時DNAループを形成することによって隣の遺伝子のエンハンサーを隔離し、もう一方の遺伝子が転写されないようにする。つまりPinheadはタンパク質レベルでのAdmpの抑制にくわえ, Pinhead遺伝子の転写によりADMP遺伝子の転写が直接的に抑制されるという二重の抑制機構をもっていた。平成25年度はこういった遺伝子の並びが他にもないか探索した。節足動物から脊椎動物までADMPとPinheadはゲノム上で隣り合って並んでいることから, この転写制御機構もっ遺伝子ペアは進化的に保存されている可能性が高いと考え、まず、ホヤにおいて脊椎動物(人、ゼブラフィッシュ、ゼノパス)、または節足動物(ハエ)とゲノム上の遺伝子の並びが保存されている個所(マイクロシンテニー)をリストアップした。その結果80か所近く存在することがわかった。このうちいくつかについて発現パターンを解析した結果、ADMPとpinheadのように相補的に発現している例を見出した。そのうちの一例は予定神経割球と表皮に互いに相補的に発現していた。この遺伝子ペアがADMPとPinheadのようにループを介して互いの発現を抑制しているのか調べるためにレポーターコンストラクトを作成し、その解析を行った。またそれと並行してモルフォリノオリゴを用いた機能阻害実験を行い、2つの遺伝子の機能面での関係を解析しつつあるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに論文になっているADMPとPinheadのマイクロシンテニーの解析をさらに発展させるために、同様の転写制御機構がどの程度広く使われているのか、解析を進めている。今のところ胚発生の時期に相補的に発現する遺伝子ペアを一つ見出し、その上流解析を行っているところである。2つの遺伝子のモルフォリノオリゴによる機能阻害実験も進めておりおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)