Project/Area Number |
11J56142
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
李 世光 千葉大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 有機薄膜トランジスタ(OTFT) / Drude-Lorentzモデル / THzセンサ / ポテンシャルゆらぎ / グラフォエピタキシー / ポテンシャル障壁 |
Research Abstract |
本研究の目的、OFETを利用したTHzセンサの検出原理は、(1)ポテンシャルゆらぎの谷底に緩く束縛されているホールにTHz波を照射する。すると、ホールはTHzフォトンからエネルギーを受けてキャリア障壁を乗り越える。(2)ペンタセンOFETのソース・ドレイン間の電界により、THz照射で乗り越えたホールがドリフトし、出力電流の増加として検出される。という2つの過程に分けることができる。 今年度は、(1)の段階として、有機半導体中のチャネル部に誘起されたキャリアによるTHz帯吸収スペクトルを詳しく調べる研究を完成させた。 (1)の段階結果について、OFETの有機層中に電界誘起された自由ホールによる明確なTHz帯吸収スペクトルを得ることに世界で初めて成功している。得られたスペクトルの形状は、測定された0.2~2.0THzの範囲においてフォトンエネルギーが増加するに従って緩やかに増加しており、単純なDrude-Lorentzモデルでは説明が付かない。このようなスペクトル解析によってOFET中の自由キャリアがおかれたポテンシャル環境を調べることができるという点で、新たな物性評価手段としても興味深い結果である。さらに、THz波の総吸収量が電界効果移動度によらずOFET中の自由キャリア量に比例することも示した。この結果は、OFETチャネル部に誘起されたキャリアが確実にTHzフォトンのエネルギーを吸収していることを表すものである。 これらの成果に関して、原著論文1報の他、国際会議でも積極的に発表しており、十分な成果であると認められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果に関して、国際会議発表あるいは論文投稿に至るだけの結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
今回実証したTHzセンサの検出原理(1)OFETの有機層中に電界誘起された自由ホールによる明確なTHz帯吸収スペクトルを得る結果に続いて、現在、THzセンサの検出原理(2)の過程であるTHz波照射によるOFETの出力電流の変化を確認する実験を始めており、今後、OFET型THzセンサの実現に向けてさらに研究を進めてゆく。
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