Project/Area Number |
12011201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松村 良之 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80091502)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 所有 / 所有権 / 所持 / 分配の公正 / 売買 / 自我 / 社会的概念 / 概念発達 |
Research Abstract |
今年度は5人の5歳児および6歳児(北海道大学教育学部附属乳幼児発達臨床センターの幼稚園に通園する園児)に面接を行い、前年度の面接を補強した。そこでは所持と所有の意味と定義、所持、所有の始期と終期、所持、所有の根拠、所有の根拠と金銭の支払い、所有の正当性と分配の公正などが尋ねられ、ナラティブの分析を通じて、次のような知見を得た。 (i)5歳児であっても、所有の観念がある程度存在する。しかし、彼らのうちの何人かは「所持を失えば所有も失う」、「ものを人に貸せば所有も失う」という意味のことを述べる。このことは、彼らが、現実の所持と区別された所有の概念を理解していないことを示している。これに対し、6歳児は現実の所持と区別された所有の観念を有している。(ii)子供はしばしば「...を買ってくれた」と述べる。このことは、彼らが社会的概念としての売買を理解していて、売買が所有の始まりと所有の正当性についての観念をもたらしているように見える。(iii)子供は、金銭・売買・所有の帰属が何らかの形で結びついていることを漠然と理解している。しかし、交付される金銭が、所有権の移転のシンボルとして理解されているのか、それともものとの対価性を示すものとして理解されているのかは判断できない。(iv)分配の公正が所有の観念とどのように結びついているかははっきりしない。何人かの子供は所有(の正当性)を分配の公正と結びつけているが、他の子供は、権威(先生、親など)による分配と結びつけている。(v)5歳児は所有の相補性(自己の所有を主張するとともに他者の所有を尊重するという意味での)を十分には理解していない。それゆえ、彼らの所有の主張は自我の強さに起因しているのかもしれない。6歳児は所有の相補性についてかなり理解している。
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