Project/Area Number |
12011213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
大竹 孝司 獨協大学, 外国語学部, 教授 (50203815)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 心内辞書 / 音韻単位 / 音節構造 / 音節 / モーラ / 音韻単位の発達 |
Research Abstract |
初年度及び2年度ではLiberman et al.(1974)のタッピングの実験手法に基づいて、日本語を母語とする幼児を対象に音節構造内の音節とモーラの認識に関するメカニズムの解明を行った。だが、この方法では音韻単位の認識を明らかにするにはやや厳密さを欠く点が指摘された。そこで、最終年度ではInagaki et al.(2000)のVocal-motor word segmentation taskを改善した実験手法及びメトロノームを用いて新たに開発した実験手法に基づいて検証を行った。これにより音韻単位を認識する際に空間的及び時間的な制約を与えることによって、より厳密な音韻単位の認識の判定が可能となった。 まず、第1の研究では正方形が複数印刷された用紙上に幼児が認識した音韻単位の数をスタンプで押印するスタンピングの実験手法を開発した。この手法により、かな文字獲得児と未獲得児の2グループを対象に実験を行ったところ、文字獲得児はモーラの認識が主となるが、文字未獲得児では音節とモーラが混在する結果が得られた。これはInagaki et al.(2000)と同じ結果である。更に、文字未獲得児を年長と年少の2グループに分けて統計的手法で分析したところ、年少は音節、年長はモーラの認識が存在する可能性が高いことが明らかになった。このことは、音節構造内の音韻単位の認識はより大きな単位から小さな単位へと進行するというTreimanらの仮説を裏付けるものである。 次に、第2の研究ではメトロノームを用いて1つの拍内に1つの音韻単位を発話する実験手法を開発し、生成の側面から音韻単位の認識の検証を行った。この手法により、かな文字獲得児と未獲得児の2グループを対象に実験を行ったところ、第1の実験結果と同一の結果が明らかとなった。 以上、2つの研究から、かな文字未獲得幼児は(1)音節とモーラの認識が混在すること、(2)年少児は音節の認識、年長児はモーラの認識をする可能性が高いことから、音節からモーラの認識へと移行する可能性が高いことが明らかになった点が今年度の成果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)