日本犬と弥生豚を中心とする在来家畜の渡来と系統に関する考古学的、分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
12012101
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 助教授 (40258752)
本郷 一美 京都大学, 靈長類研究所, 助手 (20303919)
松井 章 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究官 (20157225)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | ミトコンドリア / DNA / PCR / 考古学 / ハプロタイプ |
Research Abstract |
本研究は縄文時代から弥生時代の遺跡から出土する動物遺存体に残存する遺伝子を分離・増幅して古代家畜を遺伝子面で復元し、古代家畜の遺伝的系統を現生のデータベースと比較することにより、家畜化の変遷を明らかにするものである。本年度は沖縄諸島、伊豆七島、佐渡に持ち込まれたイノシシ属について詳細に解析し、以下の成績を得た。 1)沖縄本島、伊江島、久米島から縄文時代相当期の4遺跡と弥生時代相当期の5遺跡、近世の2遺跡から出土したイノシシ属の骨164点から古DNAをPCR法にて増幅(574塩基対)し現生のデータベースと比較し系統解析した。その結果、縄文相当期の遺跡から出土した骨からは増幅できなかったが、伊江島(阿良とナガラ原西遺跡)、久米島(清水、北原遺跡)からの骨の残存遺伝子を増幅した。ナガラ原西遺跡からはリュウキュウイノシシが、阿良と北原遺跡からは大陸系の家畜ブタが、また、清水遺跡からは大陸系の特異な配列を有するイノシシ属が復元された。このことより、沖縄諸島は弥生相当期から大陸との交易が盛んであったことが明らかとなった。 2)伊豆七島の新島と大島の遺跡から出土したイノシシ属は、本州に広く分布するニホンイノシシであった。また、縄文時代の佐渡(藤塚遺跡)から出土したイノシシ属は、系統解析の結果、ニホンイノシシに分類されたが、現生のニホンイノシシとは異なる塩基配列を有し、固有のクラスターを形成した。これは更新世時代のイノシシの生き残りか、あるいは、縄文時代に持ち込まれたニホンイノシシの地方集団である可能性が高い。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)