Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白藤 尚毅 東京大学, 医科学研究所, 医員
家城 隆次 東京大学, 医科学研究所, 医員
幸道 秀樹 東京大学, 医科学研究所, 講師 (80161876)
長田 重一 大阪バイオ研究所, 分子生物学, 部長 (70114428)
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Research Abstract |
1.クロラミンT法で^<125>I標識したrhGーCSFは, ヒト骨髄細胞と同様にヒト成熟好中球にも特異的に結合した. 結合定数は約1,500pM,結合部位数は数100と推定された. クロスリンカーによって結合された^<125>I標識rhGーCSFと受容体の複合体のSDSーポリアクリルアミド電気泳動による分析から, 受容体の大きさはおよそ180,000と考えられた. 2.rhGーCSFをヒト好中球に作用させると, 好中球の遊離〔Ca^<++>〕とサイクリックAMP量は緩やかに増加した. また, 細胞膜分画中のプロテインキナーゼC活性の低下, GTP結合たんぱくの結合定数の低下が観察された. 今後更に, rhGーCSF受容体の純化とクローニング, およびrhGーCSFによる好中球のリン酸化たんぱくの同定とその機能分析を計画している. 3.ヒト好中球をrhGーCSFと前〓置することによって, その化学走性能と活性酸素産生能は4〜5倍に亢進した. この活性酸素産生能の亢進はrhGーCSFの濃度に依存することも明らかになった. 4.rhGーCSFと前〓置したヒト好中球は, 対照に比べて明らかに高いヒト悪性黒色腫細胞に対するADCC活性を有していた. rhGーCSFのこのような作用はヒトリンパ球に対しては認められなかった. 5.rhGーCSFと前〓置したヒト好中球は, HLー60,K562,U937,WEHIー3Bなどのヒト,マウス白血病株細胞のDNA合成をもin vitroで著明に抑制した. in vivoにおいてもこれら腫瘍細胞傷害作用が認められるか否か, またどのような作用機序によるものかについての研究を計画している.
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