Project/Area Number |
12015218
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
風間 ふたば 山梨大学, 工学部, 助教授 (00115320)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 喬 山梨大学, 工学部, 教授 (60020385)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 肥料成分 / 窒素 / リン / 硝酸性窒素 / 無機イオン交換体 / ハイドロタルサイト系化合物 / パイセライト系化合物 |
Research Abstract |
本年は甲府盆地東部の果樹地帯をモデルケースとして、ハイドロタルサイト系化合物を用いることによる肥料成分の循環使用の可能性や、その効果の評価を行うことを試みた。 無機イオン交換体はその原料が天然由来であるために、土壌に還元された場合も吸着剤そのものに起因する二次的な汚染の心配はない。そこでこのような特性を利用すれば、一つは土壌中の窒素残留成分を吸着して次に作物がそれを必要とする間その肥料効果を亡流させないようにするためのある種の土壌改良材として、一つは農村や周辺の市街地、畜産業から排出される排水中のリンや窒素を農地に還元するための吸着剤としての機能が期待できると考えた。前者については各種のイオン溶液を用いた実験や、この地域の土壌にハイドロタルサイト系化合物を添加したカラム実験などにより、ほぼ当初の狙いを満たす機能が確認された。土壌への使用についてはまだ検討の余地は残っているものの、この地域の施肥量をJA販売実績から求めた83Kg/haとし、その50%が土壌に残留するとしてその除去に必要なハイドロタルサイト系化合物量を試算すると、理論イオン交換容量2.4meq/gのハイドロタルサイト系化合物では約1.2t/haとなり、これは一般的な土壌改良剤の投入量のレベルにある。この地域の土地利用特性を調べた結果と併せると、河川に近い灰色低地土への使用が最も効果的であろう。一方後者の使用方法は、ハイドロタルサイト系化合物を媒体とすることにより、地域全体の窒素循環を促すことになろう。無機イオン交換体への吸着対象は硝酸イオンのみであるが、これの作用は化学肥料と同じとみなせるために、実質的な化学肥料使用量の削減につなげることが可能であるように考えられる。
|