ゼロエミッション化フリーデルクラフツ反応のための触媒設計
Project/Area Number |
12015220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 智彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10171571)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 芳香族ゼロエミッション / フリーデルクラフツ反応 / アシル化反応 / ヘテロポリ酸触媒 / 塩素フリープロセス / 副反応制御 / 部分イオン交換 / 触媒再使用 |
Research Abstract |
燃料の環境負荷低減のためガソリン等からの脱芳香族化が法制化されている。これに伴い大量の芳香族化合物が余剰となる。本研究はこの余剰芳香族化合物をファインケミカルズ業界において資源として有効利用する事で、業種間のゼロエミッションシステムを確立する事目的とし、そのキープロセスであるフリーデルクラフツ反応の改良をはかるため行なった。同反応は塩化アルミニウムを触媒とし、酸塩化物を反応試剤として用いる。これらは最終的に加水分解を経て廃棄されるため、環境負荷の非常に大きなプロセスである。本研究では塩素を使わないプロセスへの転換を目指し、酸無水物を反応試剤とした系を実現する新しい触媒の設計を試みた。昨年度までにトルエン及びベンゼンと無水安息香酸の反応を検討し、セシウムで部分的にイオン交換したタングスト燐酸を用い、高温で反応を行うことにより、塩素を使用しないフリーデルクラフツプロセスが可能であることを示した。本年度は、1)触媒の繰り返し使用についての検討と2)ベンゼンと様々なアシル化剤の反応を検討した。 1)ベンゼンと無水安息香酸の系において、見かけ上、反応が停止した時点で反応物を追加すると反応が再開することから、触媒活性は持続すると考えた。そこで触媒を分離して、再度反応に用いたところ、活性は低下した。各種添加物の影響を調べ、生成物と触媒が錯体を形成し反応を阻害している可能性が示唆されたため、触媒の洗浄を行ったところ活性はかなり回復した。現在T.N=60程度まで、高選択性を維持した繰り返し利用が可能となった。 2)無水酢酸と無水プロピオン酸をアシル化剤としたベンゼンの反応を試みた。触媒のスクリーニングの結果は、無水安息香酸の系と異なり、ナトリウム部分イオン交換体が高い活性を示した。装置上の制約から反応温度の上限が、150℃であり、このため収率はいずれの反応物についても10-20%であった。高温での高収率が期待される。 このように、反応物に応じた触媒と反応条件の選択を適切に行えば、塩素フリープロセスの実現も可能である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)