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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
キトサンの2つの水酸基をデカノイル基でアシル化することにより調製されるO,O'-デカノイルキトサンはクロロホルムやトルエンなどの有機溶剤に溶解し、溶媒抽出に使用できることが分かった。原料のキトサンによる吸着においては銅(II)よりも鉄(III)に対して高い選択性を示すが、O,O'-デカノイルキトサンによる溶媒抽出においては銅(II)に対しては高い選択性が保持されるものの、鉄(III)の抽出が極めて低く、銅を鉄から選択的に分離可能なことが分かった。しかし、例えばトルエンを希釈剤として使用した場合には銅(II)イオンはpH>4の領域で起こるため、現在銅の湿式製錬で使用されているヒドロキシオキシム抽出剤に代替することはできない。 このO,O'-デカノイルキトサンと2硫化炭素を反応させることによりキトサンの1級アミンにジチオカーバメイトの官能基が修飾されたジチオカーバメイト型O,O'-デカノイルキトサンが調製される。これはクロロホルムやトルエンばかりでなく、ヘキサンやケロシンなど工業規模の溶媒抽出で使用されている溶剤にも溶解した。希硫酸水溶液中から各種のベースメタルの溶媒抽出を行ったところ、pH>2では銅(II)はほぼ100%抽出された。鉄(III),ニッケル(II),カドミウム(II),亜鉛(II),コバルト(II)はpH=3〜5で抽出された。したがってこの場合も銅(II)に対しての高い選択性の発現が見られた。銅以外の金属の選択性の序列はカドミウム(II)>ニッケル(II)>鉄(III)>亜鉛(II)>コバルト(II)の順であるが、これら金属の間の選択性の差異は僅かである。また塩酸水溶液中から金(III),銀(I),パラジウム(II)の抽出も行った。ジチオカーバメイトの官能基は濃酸水溶液に接触すると分解することが知られているが、この場合はそのような現象は見られず、良好な抽出が観察された。
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