Bi系酸化物高温超伝導体薄膜の電気的特性への微細構造の影響に関する研究
Project/Area Number |
12016205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 真澄 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00203258)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 酸化物超伝導体 / BSCCO / Bi2223 / インターグロース / スパッタリング / 薄膜 / 表面抵抗 / 熱処理 |
Research Abstract |
超伝導デバイスの重要性が高まる高周波での応用においては薄膜の表面抵抗の低いことが重要になるが,臨界温度が高いBi系酸化物超伝導体(BSCCO)は良質な薄膜の作製が困難なため,YBCO薄膜に比べて研究例が少なく,表面抵抗に影響を及ぼす因子についてもよくわかっていない。本研究では高品質BSCCO薄膜作製技術を用い,表面抵抗のより低い薄膜を目指して,2212相および2223相薄膜の表面抵抗と薄膜微細構造の関係に注目し,主にインターグロースの影響について検討した。得られた知見を以下に述べる。 1.製膜条件等の薄膜微細構造への影響の評価:製膜条件あるいは熱処理によるインターグロース量,粒塊径などの微細構造の違いを評価し,その可変範囲を把握した。これを基に電気的特性測定用試料を作製した。 2.電気的特性の評価および微細構造の影響の検討:表面抵抗,臨界温度,臨界電流密度などの電気的特性を評価した。YBCO薄膜では,表面抵抗が粒界での損失に影響されていることを示唆する,残留表面抵抗の粒径・臨界電流密度積依存性が報告されているが,BSCCO薄膜ではそのような依存性は見られなかった。一方,BSCCOで起こりやすいインターグロースの影響を2212相/2223相インターグロース薄膜について調べたところ,BSCCO薄膜の残留表面抵抗はインターグロース量に依存することがわかった。2223相の割合の増加につれて残留表面抵抗は減少し,2223相単相では0.5mWという低い値が得られた。インターグロース量に対する残留表面抵抗の変化率はインターグロース量が小さい単相付近の領域で大きい。臨界温度,臨界電流密度についても単相付近での変化率が大きく,2223相単相付近で最も高い値を示した。このような変化の一因として,異なる相の間でのキャリア分布の変化が生じて各相のキャリア濃度が変化することが考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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