必須・有害重金属の分別認識を目的としたフィトケラチンの生合成調節機構の解析
Project/Area Number |
12019241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 收正 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30199062)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | フィトケラチン / 有害重金属 / 必須重金属 / 微細藻類 / 重金属抱合ペプチド / モニタリング / グルタチオン |
Research Abstract |
重金属抱合ペプチドであるフィトケラチン(PC)の重金属に対する高い親和性と重金属認識機能を利用すれば、水圏における有害重金属の効率的な除去や高感度モニタリングのための技術開発が可能である。そこで本研究では、このような応用研究に有用な基礎情報を得るために、海産性微細藻類Dunaliella tertiolectaにおけるPC調節機構について検討を行った。 重金属の種類と濃度のPC合成に対する影響について詳しく検討を行った結果、カドミウムよりも亜鉛でPC合成が強く誘導されること、銅や鉛、ニッケルではPC合成は誘導されないこと、合成されたPCの重合度は4あるいは5の割合が2に比べて高いこと、各重合度のPCの細胞内レベルが重金属処理時間の経過にともなってほぼ同時にしかも直線的に上昇すること、PCの合成量にかかわらず生合成の基質であるグルタチオンの細胞内レベルは変化しないこと、というこれまで報告されている高等植物や藻類とは異なったPC合成に関する特性が確認された。これは、本株のPC合成酵素の重金属による活性化機構やPC分子に対する基質特異性などが他の生物とは異なることを示唆するものである。 そこで、PC合成酵素の一次構造の違いや、タンパク質レベルでの重金属による活性化機構や酵素特性の違いを明らかにするために、まずD.tertiolectaの本酵素遺伝子をクローニングすべく検討を始めた。現在のところcDNAライブラリーの作製と、高等植物の遺伝子の塩基配列を参考にしたプライマーの作製を完了し、プラークハイブリダイゼーション法による本遺伝子の同定を進めている段階である。
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Report
(1 results)
Research Products
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