癌組織血管への新規ターゲティング素子材料の医用工学的応用における有用性評価
Project/Area Number |
12019246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00098485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (70207728)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ターゲティング / モノクローナル抗体 / 癌組織血管内皮細胞 / CD44 / OTS-8 |
Research Abstract |
我々はこれまでに癌組織血管内皮細胞特異的モノクローナル抗体をターゲティング素子材料として応用し、その有用性を評価してきた。本研究では、癌組織血管内皮細胞特異的モノクローナル抗体が認識する抗原の同定・解析を行い、癌組織血管を標的とした癌ターゲティング療法を確立する為の基礎的知見の集積を試みた。まず、癌組織血管内皮細胞のlysateを用いてウエスタンブロット法にて各種モノクローナル抗体が結合する抗原の分子量を解析した結果、TES-17は40kDa、TES-23は80kDa、TES-27は80〜150kDaの蛋白質を認識した。またTES-27で免疫沈降して得られた80〜150kDaの抗原分子をTES-23でウエスタンブロットした結果、80kDaにのみバンドが観察され、TES-23は少なくとも癌組織血管内皮細胞上でTES-27が認識する抗原分子群の一部と交差性を示すことが示された。さらに各種モノクローナル抗体が認識する抗原をcDNAライブラリーから検索した結果、TES-17が反応する40kDaの蛋白質はOTS-8であること、TES-23及びTES-27が反応する80kDの蛋白質はCD44であることが判明した。またKMT-17癌組織の凍結組織をTES-23、TES-27、および抗ラットCD44抗体、血管内皮細胞のマーカーであるvwFでそれぞれ免疫染色したところ、TES-27および抗ラットCD44抗体が新生血管内皮細胞と癌細胞に交差性を示したのに対して、TES-23は全く癌細胞と交差性を示さず、vwFで染色された部位、即ち癌組織内血管のみがTES-23で染色されていた。これは、TES-23が癌組織の新生血管内皮細胞のみならず、抗CD44抗体やTES-27が認識し得ない管腔形成した既存の栄養血管の内皮細胞をも特異的に認識し得ることを示している。現在、癌組織血管を標的とした癌ターゲティング療法の最適化を目指し、ヒトでの抗原解析を試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)