Project/Area Number |
12020208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉良 満夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40004452)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | シリレン / アニオンラジカル / シリルラジカル / ESR |
Research Abstract |
前年度、トリアルキルシリル基の電子受容性置換基としての特性を生かした新しい高スピンアニオン種を生成することを目的として、シリル置換ベンゼンをスピロ炭素で直交配置して連結した一群の化合物を合成し、そのアルカリ金属還元によって生成するアニオン種のスピン状態をESR分光法によって明らかにした。本年度は14族2価化学種のアニオンラジカルに研究を拡張し、最近合成に成功した安定ジアルキルシリレン1のDME中での、カリウム還元を行った。14族2価化学種は比較的低い準位にLUMOを持つため、1電子還元によりアニオンラジカルを生成する可能性がある。実際1のカリウム還元によって、容易にシリレンアニオンラジカルを生成した。1は低温で比較的安定であり、g値は2.0077とこれまで知られているトリアルキルシリルラジカルやトリス(トリアルキルシリル)シリルラジカルのg値よりかなり大きいことが分かった。シリレンのn-p遷移エネルギーが小さいことを反映していると思われる。また、シリレンアニオンラジカルの中心ケイ素の超微細結合定数a(Si^α)は他のシリルラジカルに比べて顕著に小さい。この値は純粋にケイ素3p軌道に不対電子が収容された場合にとる^<29>Si超微細結合定数の最小値だと考えることができる。これまでトリス(トリアルキルシリル)シリルラジカルは平面構造に近いと考えられてきたが、^<29>Si超微細結合定数はこれよりかなり大きく、完全には平面でないことが示唆される。
|