ケイ素-アセチレン骨格を有する新規環状化合物の合成、構造と物性
Project/Area Number |
12020210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
海野 雅史 群馬大学, 工学部, 助手 (20251126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 英之 群馬大学, 工学部, 教授 (90008467)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ケイ素 / アセチレン / ホモ共役 / 電子スペクトル / 結晶構造 / 熱反応 |
Research Abstract |
1.イソプロピル基を有する環状シラペリサイクライン(i-Pr_2SiC=C)_nにおいてはn=6,8,10の、それぞれ18、24、30員環を合成し、X線構造解析で立体構造を決定した。その結果18員環では中員環化合物あるにもかかわらずほぼ平面、24、30員環については置換基を包接する形で結晶化していた。これらシラペリサイクラインと、モデル化合物として合成した同一のコンポーネントを有する直鎖状化合物の紫外可視吸収スペクトルの比較を行った。その結果以下のような新規知見が得られた。(1)同様の骨格を有する炭素化合物との比較では20nm程度の長波長シフトが観測され、ケイ素原子がホモ共役に有効であることを示した。(2)なる環サイズを持つ化合物環間の比較では、波長に変化は見られなかったがε値が増大しており、環員数と比例関係にあった。(3)直鎖状化合物との比較では、共役がケイ素原子を通じて広がっており、-SiC≡C-SiC≡C-を発色団の1ユニットと考えるとεの値がすべて説明できることが明らかになった。 2.さらに、イソプロピル基を置換基とし、(i-Pr_2SiC≡C-C≡C)_nなる骨格を有する拡張シラペリサイクライン合成し、n=4,5,6,7のものを得た。このうちn=4の20員環化合物については構造解析を行い、カラ状にスタックしていることを明らかにした。熱反応において、エチニル基を多数有する化合物は異性化反応のがアヌレンの化学でよく知られているが、この化合物も加熱により非可逆な色の変化を示し、1000℃まで加熱すると導電性の黒色光沢物質を与えた。これについてはカラム状の関係を保ちながらアセチレンが重合し、ナノチューブのような構造を持ったポリマーが生成しているのではないかと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Unno,K.Higuchi,K.Furuya,H.Shioyama,S.Kyushin,M.Goto,and H.Matsumoto: "Synthesis, Structure, and Reactions of Octakis (1,1,2-trimethylpropyl) octagermacubane)"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 73. 2093-2097 (2000)
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