Project/Area Number |
12020225
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
長村 利彦 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90117200)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | クロモフォア間相互作用 / 非局在安定化 / 分子内ダイマーラジカルカチオン / メソージ置換ペンタン / 立体規制 |
Research Abstract |
クロモフォア間相互作用および分子内のさらなる非局在安定化をめざして電子吸引性のより強いトリシアノビニル基を導入したヘキサデシルスチリルピリジニウム・テトラフェニルボレート塩を合成した。この塩は、ベンゼン、1,2-ジメトキシエタン(DME)、アセトニトリルなどに可溶で、DME中での定常光照射で生じるラジカル寿命は、ジシアノビニル基を持つものに比べて100倍以上増加した。また、溶媒の極性低下に伴い、寿命は増加した。ダイマーラジカルカチオンに加えてラジカルダイマー生成も確認された。さらに二つのニトロスチリルピリジニウム基を異なる数(n=3,4,6)のメチレン鎖で連結した化合物を合成し、対イオンをテトラフェニルホウ酸に交換した。これを脱気下、アセトニトリル中で定常光照射した。スチリルピリジニルラジカル生成による可視域の吸収変化がいずれも観測された。n=3の場合には極めて特異的で、948nmの吸収が非常に大きく、また1742nmにピークをもつブロードな吸収が2600nm付近まで観測された。n=3の連結化合物でのみ観測されたこのようなスペクトルは、スチリルピリジニルラジカルとスチリルピリジニウムとの分子内ダイマーラジカルカチオンの電荷共鳴相互作用によると結論された。948nmの吸収がサンドイッチ型に、1742nmの吸収が部分重なり型に対応すると考えられる。また、連結部分の構造の効果を調べるため、meso-2,4-pentanediolから二つのクロモフォアを立体規制した化合物を合成した。近赤外域の吸収は、プロパンで連結した場合に比べてかなり増加した。このような結果から、ダイマ-ラジカルカチオンを構成する二つのクロモフォアの相互作用が立体規制により強められることが示された。
|