高分子拡張共役電子系としての置換ポリアセチレンの創製と特性の解明
Project/Area Number |
12020228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 亮二 京都大学, 工学研究科, 助手 (40242317)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 置換ポリアセチレン / 遷移金属触媒重合 / 共役高分子 / 導電性 / 非線形光学特性 / 分解性ポリマー |
Research Abstract |
本年度は、1)広い主鎖共役を有し、かつ高い分子量と溶解性、および溶解性を合わせ持つ置換ポリアセチレンを合成するための分子設計法を確立すること、2)一置換アセチレンから誘導されるポリマーの溶液中における安定性を系統的に検討することを目的とした。 1)種々の縮合芳香環を有するアセチレンの重合を検討した結果、生成ポリマーの主鎖と側鎖との間に大きな立体障害が働くようなモノマーをW触媒によって重合することで、広い主鎖共役を有するポリマーが得られることが分かった。また、ポリマーの溶解性を向上するために、側鎖としてアルキルエステルを導入した場合、種々の有機溶媒に可溶なポリマーが得られることが分かった。生成ポリマーは高い分子量を有しており、これを反映して優れた成膜性を示した。主鎖の広い共役に基づき、生成ポリマーはドープすることによって半導体程度の導電性を示し、また大きな非線形光学特性を示した。 2)WおよびRh触媒によって合成したポリ(フェニルアセチレン)のクロロホルム、THFおよびトルエン中における安定性を検討した結果、W触媒から得られたトランスリッチなポリマーは分解速度に溶媒依存性がないのに対し、Rh触媒で合成したシスポリマーは溶媒によって分解速度が大きく異なることが分かった。分解はクロロホルムやトルエン中で速く起こり、THF中では遅いものであった。主鎖の分解は光照射によって促進され、THF中遮光することにより分解はほぼ防ぐことが可能であることを見いだした。また、ラジカル捕捉剤を添加することによっても分解速度は大きく低下することを明らかにした。さらに、ベンゼン環上に置換基を導入することによって分解速度は低下し、この効果は置換基のかさ高さに影響されることを見いだした。分解は酸素による主鎖の酸化的切断によって起こることを明らかにし、またその際、主鎖の立体規則性は失われないことを見いだした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)