Project/Area Number |
12020229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 敏一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20183791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 賢一 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026358)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | フラーレン / カルボカチオン / pK_<R^+>値 / ソルボリシス / 活性化自由エネルギー / 熱力学的安定性 / 求核置換反応 |
Research Abstract |
1.モノアルキルフラーレンカチオンの熱力学的安定性の定量的評価 先に我々が初めて観測に成功した、モノアルキルフラーレンカチオンの熱力学的安定性をpK_<R^+>値およびソルボリシスの反応速度により検討した。pK_<R^+>値は、p-トルエンスルホン酸-硫酸混合溶媒中で分光法により求めたフラレノール類のイオン解離度データから、ジクロロメチル基および1,1,2-トリクロロエチルカチオンが結合したフラーレンカチオンについてそれぞれ-16.0、-15.7と決定された。一方、これらのカチオンに対応する塩化物は、トリフルオロエタノールーアニソール(1:9v/v)混合溶媒中でソルボリシスを受け、半減期2時間および14時間(25℃)で溶媒置換生成物を与えた。反応速度の精密測定により、活性化自由エネルギーは、それぞれ24.0および25.0kcal/molと決定された。以上の熱力学パラメータは、t-ブチルカチオンについての値(pK_<R^+>=-14.8,活性化自由エネルギー=26.9kcal/mol)に近接しており、モノアルキルフラーレンカチオンが第3級アルキルカチオンに匹敵する安定性を有することが示された。 2.モノアルキルフラーレンカチオンを経由する反応 フラーレンカチオンを中間体として経由する反応は、合成化学上重要性が高いと考えられる。本研究では、上述のソルボリシスのほか、塩化アルミニウムあるいは銀イオンを触媒とするRC_<60>Clの求核置換反応(求核種:アルコール類、置換ベンゼン)、ClCH_2-C_<60>-Clの1,2-置換体と1,4-置換体の異性化反応が副反応を伴わずに進行することを確認した。
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