Project/Area Number |
12020230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中條 善樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (70144128)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 有機ホウ素ポリマー / 共役系高分子 / ヒドロボレーション重合 / 蛍光 / 非線形光学特性 / 成膜性 / 空気安定性 / 可溶性 |
Research Abstract |
ホウ素の特性を生かした新しい機能性高分子の例として、ホウ素原子をπ-共役系に含む高分子について研究を行った。メシチルボランと芳香族ジイン類のヒドロボレーション重合をTHF中、室温で行うと、主鎖型有機ホウ素ポリマーが高収率で得られた。得られたポリマーはTHF、クロロホルム、ベンゼンなどの有機溶媒に可溶であり、その構造は^1H-,^<13>C-,^<11>B-NMR,IR等により確認した。 これらの有機ホウ素ポリマーは、二重結合および芳香環のπ-電子がホウ素の空のp-軌道を介して主鎖中で共役しており、従来のポリアニリンやポリチオフェンなどとは全く異なったタイプの新しいπ-共役系高分子であるといえる。共役系の拡張はUVスペクトルの結果より確認することができ、例えばジエチニルベンゼンからのポリマーでは、399nmに吸収極大が観測され、その吸収端は450nm付近にまで拡がっていることが分かった。興味あることに、これらπ-共役系有機ホウ素ポリマーは、その蛍光スペクトルを測定すると、強い強度をもつ青色発光を示すことが分かった。 メシチルボランとのヒドロボレーション重合では、芳香環としてベンゼン環以外にも、フランやチオフェン、ピリジンを含む芳香族ジイン類を用いることができる。この反応ではヘテロ原子とホウ素との塩生成等の副反応は起こらず、それぞれ対応するπ-共役系有機ホウ素ポリマーが合成できた。これらは、同一分子内にドナーとアクセプターを有する新規共役系高分子として興味深い。ここで得られたポリマーは励起光照射により、チオフェンを含むものは緑色発光を、そしてピリジンを含むものは白色発光をすることが分かった。ポリマーの構造により発光の色が変えられるという点で興味深い材料である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)