Project/Area Number |
12020233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小川 昭弥 奈良女子大学, 理学部, 教授 (30183031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | π-共役系 / 含硫黄ポリマー / チオフェン共役系 / ヒドロチオレーション / 二官能性芳香族 / 遷移金属触媒反応 / 位置選択性 / 立体選択性 |
Research Abstract |
π-共役系分子の新機能開発を目的に、π結合に硫黄やセレンなどのヘテロ官能基を位置と立体を精密に制御して導入する新方法論の開拓を目指した。その結果、遷移金属触媒存在下チオールのアセチレン類への付加が位置および立体選択的に進行し、各種ビニルスルフィドを高収率で合成できることを見い出し、新概念に基づくπ-共役系構築のための新手法の開発に成功した。例えば、酢酸パラジウムなどの2価Pd系触媒では配位子交換反応によりパラジウムスルフィドが生成し、位置選択的なチオパラデーションによりマルコフニコフ型付加反応が進行した。一方、Rh触媒ではチオールの酸化的付加により、ヒドリドロジウム種が生成し、続くヒドロロデーションによりanti-マルコフニコフ型付加が立体選択的に進行した。次に明らかとなった高選択的ヒドロチオレーションを用いて、立体的に制御された含硫黄π-共役系高分子の合成を検討した。生成するπ-共役系高分子が有機系溶媒に可溶なようにあらかじめアルキル鎖を導入したジアセチレン(p-^nPrC≡C-C_6H_4-C≡CPr^n)を基質に用いてジチオール(p-HS-C_6H_4-SH)との反応を行ったところ、目的生成物である含硫黄π-共役系高分子を収率良く合成することができ、^1HNMRの測定結果から、位置異性体および立体異性体の副生は極少量であり、ビニルスルフィド部位の位置と立体を制御してポリマーの合成が可能なことが明らかとなった。また、GPCによる分子量測定より、ユニットが約10個繋がっていることが明らかになった。重合度が少し低いのは、反応性が低い内部アルキンを用いたためと考えられる。そこで本手法を末端アセチレンである2,5-ジエチニルチオフェンに応用したところ、チオフェンとビニルと硫黄が位置および立体選択的に結合した含硫黄π-共役系高分子が良好な収率で生成し、分子量測定の結果、数万の分子量を有することが明らかとなった。
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