分子間D-A相互作用と水素結合によるトリプチセンキノン誘導体の超分子構造と物性
Project/Area Number |
12020238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橋本 真佐男 神戸大学, 理学部, 助教授 (90030775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 公明 神戸大学, 理学部, 教授 (60031358)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | DA相互作用 / 結晶構造 / 有機結晶 / 混晶 / 包接化合物 / 水素結合 / 超分子 / 圧力効果 |
Research Abstract |
1トリプチセンキノン(TPQ)とその誘導体、関連物質であるトリプチセン-TCNQの結晶構造解析の結果、これらの結晶中にリボン状の一次元構造(超分子)が普遍的に存在しTPQやTP-TCNQの電子受容部(A)、電子供与部(D)が分子間D-A相互作用に関与できることが確認された。このことは数種の包接化合物の構造によっても支持された。一部の結晶についてはCT吸収バンドを駄測できた。2二成分結晶、TPQ/トリプチセンヒドロキノン(TPHQ)、TPQ/ジメトキシ-トリプチセン、テトラメチル-TPQ/テトラメチル-TPHQ・C_7H_8(包接化合物)はいずれも赤紫色を呈する。結晶構造解析の結果、これらは混晶であった。置換サイトでは特異なディスオーダーを介した局所的D-A相互作用が可能であり、これが色の原因と推定できた。可視紫外吸収スペクトルに新たなCTバンドは現れないが、置換サイトの低濃度、不均一性の結果と判断された。5-クロロ-TPQ、ジメチル-TPQと対応するヒドロキノン休の二成分結晶(赤紫色)でも同様のD-A相互作用機構が働くと推定された。TPQ/TPHQ混晶の赤外スペクトルのOH伸縮振動バンドは約40kbar以上でほぼ消失し、PET状態である可能性が高い(班内共同研究)。3TPHQとその誘導体結晶(包接化合物)ではO-H...O型水素結合が、TPQとその誘導体ではC-H...Oが結晶パッキングに寄与していることが分かった。4この研究により有機結晶混晶系の形成は新たな物性を創出する有効な方法であることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
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