Project/Area Number |
12020241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新名主 輝男 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (90037292)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | シクロファン / 電荷移動錯体 / 電荷移動相互作用 / 伝導体 / 光化学反応 / プリズマン類 / かご型化合物 |
Research Abstract |
(1)[3_n]シクロファン(n=3-6)の非常に強いドナー性が、第一酸化電位測定により裏付けられた。特に[3]スーパーファン(n=6)は、炭化水素であるにもかかわらず最も代表的なドナーであるTTFに近いドナー性を示す。[3_n]シクロファン(n=3-6)とTCNQおよびTCNQ-F_4との一連の電荷移動錯体を合成して、それらの結晶構造と伝導性との相関を詳細に調べた結果、TCNQ錯体よりもTCNQ-F_4錯体がはるかに大きな伝導性を示す事、伝導性とドナーの強さとは必ずしも相関はなくn=3の場合が最大の伝導性を示す事が明らかになった。全てのTNCQ-F_4錯体において、ドナーとアクセプターは交互積層構造を取るが、n=3の場合、アクセプター分子が近い位置で部分的に重なり合い無限のカラムを形成している。n=4,5,6の錯体ではこの様なカラムの形成は見られないので、主にこのアクセプターのカラムを電子が移動しているものと推定される。より高い伝導性の発現を目指してヘテロ原子を架橋鎖に導入した[3_3](1,3,5)シクロファンのS_3およびS_6誘導体を合成した。S_6誘導体はTCNQ-F_4と錯体を生成しなかったが、S_3体は母体化合物である[3_3](1,3,5)シクロファン錯体と同様にドナーとアクセプターが交互に重なり合ってカラムを生成している。 (2)[3_n]シクロファンの光異性化によるヘキサプリズマン誘導体への変換に関する研究において、中間体として生成していると予想されるヘキサプリズマン誘導体の熱力学的安定化と化学的不活性化を目的として、[3_3](1,3,5)シクロファンのベンゼン環にフッ素原子を導入したF_1-、F_3-、およびF_6-誘導体を合成した。結晶状態において、無置換体およびF_1-誘導体では隣り合う分子同士は直交するが、F_3-およびF_6-誘導体ではお互いにフッ素置換したベンゼン環で平行に重なり合っており、F_6-誘導体では無限のカラムを形成するという、興味深い現象が見られた。F_1-誘導体は無置換体と同様に光反応を受け、類似した骨格を有するかご型化合物を与える。現在、F_3-およびF_6-誘導体の光反応を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)