直交型芳香族化合物を用いる新しい非局在電子系の創出
Project/Area Number |
12020242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
遠藤 健 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助手 (70304730)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 発散型 / 水素結合 / 金属配位結合 / 分子間相互作用 / 芳香環カラム / キラルメモリー / Seeding / キラル増幅 |
Research Abstract |
分子結晶中の芳香環カラムの配列制御を目的とし、発散型相互作用部位を有する直交型化合物を用いる戦略を展開した。直交型化合物として新たに4種の化合物、すなわちアントラセン-ビス(ヒドロキノン)誘導体、アントラセン-モノ(ピリミジン)誘導体、アクリジン-モノ(レゾルシン)誘導体ならびにポルフィリン-モノ(レゾルシン)誘導体を合成し、水素結合や金属配位結合を利用するアントラセン環、アクリジン環ならびにポルフィリン環のカラム構造制御の可能性について検討した。はしご状水素結合鎖、一次元水素結合鎖の自己集積、一次元金属配位結合鎖の自己集積により、種々の芳香環カラムを作り出すことに成功した。結晶中に同時に取り込まれるゲスト分子を選択することにより、芳香環とゲスト分子の交互積層型モノマーカラムとダイマーカラムを精密に作り分ける手法を見出した。また、一次元金属配位結合鎖の構築においては、全くアキラルなコンポーネントから、螺旋鎖を有するキラルな結晶を100%の不斉収率で得る手法を確立した。このキラル結晶は揮発性のリガンド交換によりアキラル結晶となるが、常温における交換においては以前のキラリティーが完全に復元される(キラルメモリー)。また、この固相でのキラリティー復元においては微量の種結晶によるseedingが可能である。これは固体のごく一部の情報が全体に広がることを意味し、固体中でのキラル増幅ともいえる興味深い現象である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)