Project/Area Number |
12020253
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉村 高志 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (30187661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 守文 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00275314)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | キンヒドロン / TERNOL / QUANOL / 酸化還元 / 水素結合 / 立体化学 |
Research Abstract |
ナフタレン構造を3つ有するTERNOLから対応するキノンを合成し、分子内水素結合の酸化還元に対する影響を調べた。CVスペクトルからは、分子内水素結合は明らかにナフトジオールの酸化電位を下げているが、立体異性体間での差異は認められなかった。また、TERNOLの二酸化鉛酸化においても反応の大きな加速が見いだされた。一方、キノン体の還元電位も分子内水素結合によって下がり、この場合は異性体間でその程度に差が見られた。すなわち、分子内水素結合はTERNOL-キノンの平衡の活性化エネルギーを小さくする効果があることが判明した。これらの性質を明確にするため、キンヒドロンの単結晶の育成を拡散法により行ったが、現在までにX線解析に耐えうる結晶は得られていない。 次に、ナフタレン構造を4つ有するQUANOLの合成を行い、その物性を調べた。QUANOLには6つの立体異性体が存在することから、それらをすべて合成した。得られたQUANOLの溶液中の立体異性化はTERNOLよりも早いが、中性溶媒中では室温で安定であった。エタノール中のCDスペクトルから、TERNOL、QUANOLの系ではA値の加生成が成り立たないことが判った。また、酸化電位は異性体間で明瞭な差異がなく、TERNOLより若干高い値が得られた。それにも関わらず、QUANOLの二酸化鉛酸化は対応するキノン、ジキノン体を与えなかった。この理由に関しては現在検討を行っている。 これらの系においてキンヒドロンの固体物性は得られていないが、溶液中において水素結合が重要な役割を果たすことを示せた。また、TERNOLの結晶中にナフタレン程度のサイズの分子を強く取り込むことから、結晶中の分子の配列制御にも水素結合が有効なことを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)