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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
当研究室では,予備実験で高温酸化物プロトン伝導体へ電気化学的に水素の吸蔵放出が行えることを見い出してきている.これに引き続き本研究では,水素吸蔵合金とプロトン伝導体を複合化させることによる合金負極の初期活性化特性の向上について検討した. 水素吸蔵合金とSrCe_<0.95>Yb_<0.05>O_<3-δ>(5wt%あるいは3wt%)を容器に入れ,メカニカルミリング処理を施し,水素吸蔵合金-プロトン伝導体複合体を得た.得られた試料と導電剤,結着剤PVA,少量の6M KOH水溶液と共に混ぜ,発泡ニッケル(1cm×1cm)に塗布,プレスし試験極とした.混合比は合金,導電剤,結着剤を重量比で,95:4:1とした.またプロトン伝導体と導電剤を40時間メカニカルミリングし結着剤と混合させ,発泡ニッケル上に塗布真空乾燥プレスを行った電極も作製した.電池充放電測定は三極式セルを用いて行い,対極には水酸化ニッケル,電解液は6M KOHとした.充放電は50mAg^<-1>で7時間充電し,10分間休止,その後50mAg^<-1>で-0.65V(vs.Hg/HgO)まで放電させた. 高温酸化物プロトン伝導体のみを用いて作製した電極に対し,電気化学的に水素を吸蔵/放出させた結果,水素放出量は実用化されている合金にはおよばないものの,酸化物1式量あたり1.11H(108mAhg^<-1>)となり,プロトン伝導体は室温付近で可逆的に水素の吸蔵と放出のできることを見い出した. 上述の結果から合金電極の初期活性化特性の向上を期待し,水素吸蔵合金とプロトン伝導体とを複合化させた試料を作製した.これを電極とした場合の放電容量とサイクル数の関係においては、いずれのサイクルにおいても複合体電極は合金電極の放電容量よりも大きくなっており,その中でもプロトン伝導体を5wt%加えた複合体電極ではその差が顕著であった.このことから,添加量によって差はあるものの,プロトン伝導体との複合化が合金電極の初期活性化特性の向上に寄与することが示された.
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