ネオジム鉄ボロン系磁石材料における分解組織の制御と高性能磁石の開発
Project/Area Number |
12022224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑野 範之 九州大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (50038022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (20203078)
沖 憲典 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (70037860)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 希土類磁石 / 分解組織 / 水素処理 / 透過電子顕微鏡 / ボンド磁石 / HDDR / 組織制御 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
昨年度は、HDDR(hydrogenization-decomposition-desorption-recombination)によるネオジム系ボンド磁石原料合金の製法において、「中間Ar処理」の効果について研究を行ったが、本年度は中間Ar処理の後に圧力を一定に保ちながらプロチウムを放出させる「定圧脱水素(CD)処理」による組織制御に関する知見を得ることを目的とした。CD処理を行わずに真空引きのみで再結合させると、平均粒径が230nm程度の極めて微細なNd_2Fe_<14>B粒組織となるが、CD処理を60min施すとが300nm程度に大きくなり、さらにNdに富む粒間相の生成が目立った組織となる。組織の粗大化は一般的に保磁力にとって不利とされている。そこで、CD処理の有無による磁区構造の違いをローレンツ顕微鏡法および高分解能走査電子顕微鏡法により解析した。CD処理なしの試料では磁壁は幾つかの結晶粒を取り囲むように入っているのに対し、CD処理を施した試料では結晶粒界の多くに磁壁が存在し、Nd粒間相に磁壁がピン止めされているようなところも観察された。一方、CD処理中には、NdH_2相の形態は変化せずにFe相のみが成長することが確かめられた。すなわち、磁気異方性の増加には分解相のなかのFe粒径が増大することがキーポイントであることが明らかになった。このことは、Fe相の中に結晶方位のメモリーサイトの働きをする何かが残留していることを示唆している。保磁力の増加には、NdH_2相の形態保持のほかに磁区構造の改善が重要であることがわかった。これにはNd_2Fe_<14>B粒間に発生させた細かな第3相がこれまで議論されてきたものとは異なる保磁力発生機構を発現させているものと考えられる。この結果は、高保磁力能発現のために制御すべき微細組織に新たなファクターを導入できる可能性を含んでいる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)