混合金属型遷移金属-カルコゲンユニットの選択的集積化と活性化
Project/Area Number |
12023204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飛田 博実 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30180160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 雅明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20292203)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 遷移金属-硫黄クラスター / 混合金属クラスター / ジスルフィド配位子 / トリスルフィド配位子 / 鉄錯体 / ルテニウム錯体 / タングステン錯体 / 白金錯体 |
Research Abstract |
本研究では,幾つかの二核または三核遷移金属-カルコゲンユニットを出発原料として,これらに遷移金属フラグメントを付加させることにより,様々な骨格を持つ混合金属型遷移金属-カルコゲンクラスターの選択的合成を目指した。 2つのジスルフィド配位子で架橋された鉄二核錯体Cp^<S2>_2Fe_2S_4(Cp^<S2>=1,3-C_5H_3(SiMe_3)_2)とかさ高いC_5Me_5配位子を持つルテニウムのカチオン錯体[(C_5Me_5)Ru(MeCN)_3]^+との反応では,反応物のモル比に関係なく[(C_5Me_5)Ru]^+ユニットが1個付加した三核クラスター[Cp^<S2>Fe_2S_4Ru(C_5Me_5)]^+が選択的に得られたのに対し,より立体的に小さいCp配位子を持つ[CpRu(MeCN)_3]^+との反応では,短時間で三核クラスター[Cp^<S2>Fe_2S_4RuCp]^+が選択性よく生成した後,もう1つの[CpRu]^+ユニットがゆっくりと付加し,四核クラスター[Cp^<S2>Fe_2S_4Ru_2Cp_2]^<2+>に変換するのが見られた。この結果は,支持配位子のかさ高さを変化させることにより,生成する遷移金属-硫黄クラスターの核数を制御できることを示している。 Ru_2WS_4骨格を持つクラスター{Cp^*(CO)Ru}_2WS_4には,WS_4の周りへのCp^*(CO)Ruフラグメントの結合の仕方によって2つの異性体がある。これらのクラスターと白金錯体PtMe_2(cod)およびPt(PPh_3)_2(CH_2=CH_2)との反応では,ほぼ元のクラスター骨格を保持して,白金フラグメントを1個または2個取り込んだ新規な骨格を持つクラスターが得られることがわかった。 トリスルフィド架橋鉄二核錯体{CP(CO)_2Fe}_2(μ-S)_3に3当量のW(CO)_5(THF)を加えたところ,室温で容易に反応し,W(CO)_5フラグメントがトリスルフィド配位子α位の硫黄のみに2個および1個導入された錯体が主生成物として得られた。これらは金属-金属結合を一切持たず,金属フラグメント同士がトリスルフィド配位子のみで結びつけられたクラスターの初めての例である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)