Project/Area Number |
12023206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武田 定 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00155011)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | プロシアンブルー型錯体 / 磁気的局所構造 / 磁気的相互作用 / 固体高分解能重水素核NMR / 固体^<13>C-NMR / シアン化物イオン / スピンクロスオーバー錯体 / 結晶水 |
Research Abstract |
本研究では、集積型磁性金属錯体の磁性機能発現に重要な役割を果たしている配位子の磁気的・電子的状態に注目し、主として多核-固体NMRにより原子レベルのミクロな視点でとらえる研究を行った。^<13>CでエンリッチされたK^<13>CNを原料として[Mn(en)]_3[Cr(^<13>CN)_6]_2・4H_2Oを合成した。この3次元磁性錯体のシアン化物イオンの^<13>C-NMRスペクトルの等方性シフトは365Kから190Kの間で-3000ppmからゼロをよぎって+9000ppmまで大きくシフトする。この等方性シフトを解析することにより、^<13>CとCr(III)との超微細結合定数A(Cr)=-39MHzと^<13>CとMn(II)との超微細結合定数A(Mn)=+6MHzを実験的に決定することに成功した。シアン化物イオンの炭素原子上にCr(III)とMn(II)から誘起された電子スピンが逆向きであることは、Cr(III)とMn(II)とがシアン化物イオンを介して反強磁性的相互相互作用をしていることを示している。非磁性金属イオンをドープすることによりその磁性を制御できるプルシアンブルー型錯体MxCoy[Fe(CN)_6]キnH_2O(M=Li,Na,K,Cs,Mg,Ca)や、磁石としての磁極が反転することが見出されている(NixMn1-x)_<1.5>[Cr(CN)_6]nH_2Oについても同様の研究を行った。また、ドープされたLi^+,Na^+の取り込まれ方をマジック角回転^7Li-NMRや^<23>Na-NMRスペクトルで調べ、配位子場の強さを制御していると考えられる配位水の結合状態を重水素化物についてのマジック角回転固体高分解能重水素核NMRで調べた。 トリアゾール誘導体を配位子とするポリマー型のFe(II)スピンクロスオーバー錯体[Fe(4-NH_2-trz)_3](R-SO_3)_2・nH_2O(R=CH_3,C_2H_5,CH_3-Phなど)や過塩素酸塩などを中心に結晶水を重水素置換し重水素核固体高分解能NMRなどを用いて、結晶水の取り込まれ方や、その運動性とスピン転移挙動との関係について研究を行った。その結果、スピンクロスオーバー転移温度以下ですでに、すべての水分子の等方的回転が起こっている錯体では、極めて鋭いスピン転移が起こり、一部でも強く束縛され運動性が低い水分子が存在する場合には、スピン転移がなだらかになるという相関関係を見出した。これはポリマー型のFe(II)の一次元鎖のまわりが柔らかい環境にあることがスピン転移を鋭くすることにつながることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)