Project/Area Number |
12023217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
巽 和行 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (10155096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 剛 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50311717)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | クラスター / モリブデン / 鉄 / イオウ / ニトロゲナーゼ / キュバン |
Research Abstract |
我々が独自に開発したモリブデンのトリス-スルフイド錯体(PPh_4)[Cp^*Mo(S)_3]を基本構成単位とし、鉄(II)との一連のクラスター化を行った。例えば、(PPh_4)[Cp^*Mo(S)_3]へのFeCl_2の付加反応は段階的に進行し、1:1付加体(PPh_4)[Cp^*Mo(S)_3(FeCl)]と1:2付加体(PPh_4)[Cp^*Mo(S)_3(FeCl)_2]が高収率で得られることはすでに報告した。このFeCl_2との反応をLi_2S_2/PPh_4Br存在化で行なうと,三角形クラスター構造をもつ(PPh_4)_2[Li(Cp^*MoS_3)_3Fe_6S_6]が単離された。三角形の頂点にモリブデンが位置し、各辺には鉄2原子がスルフィド架橋によって連結されている。リチウムカチオンはアニオンクラスター骨格の中央に位置し,スルフィド3原子に結合する。さらに,(PPh_4)[Cp^*Mo(S)_3]FeCl_2/LiSCMe_3/S_8(1:3:6:1)の自己集合反応はMoFe_3S_4型キュバン錯体(PPh_4)[Cp^*MoS_4Fe_3(SCMe_3)_3]を与え,このクラスターはPhCOClによって容易に(PPh_4)[Cp^*MoS_4Fe_3Cl_3]へと変換される。また,(PPh_4)[Cp^*Mo(S)_3]と[Fe(CH_3CN)_6](OCl_4)_2との反応からは,四角形クラスター骨格を持つ[(Cp^*MoS_3)_4Fe_4](7)が選択的に得られた。ここでも頂点はモリブデンが占め、それらが鉄によって連結される。本研究によって得られた最も重要な成果は、過剰量のEt_4NSHの存在下PPh_4)[Cp^*Mo(S)_3]とFeCl_2との反応にから、クラスター[(Cp^*MoS_3)_2Fe_4S_3]^<2->と[(Cp^*MoS_3)Fe_5S_6(SH)]^<3->が構築されたことである。後者のクラスターは端の鉄原子のみにメルカプト基が存在し、現在のところニトロゲナーゼの活性部位構造に最も近い化合物である。自己集合的にこのようなモリブデン/鉄/硫黄クラスター骨格が生成することは実に興味深い。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)