混合原子価二核錯体の配位環境規制によるスピンクロスオーバーと電子移動の制御
Project/Area Number |
12023230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
海崎 純男 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20089874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝義 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80249953)
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Project Period (FY) |
1998 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 二核化錯体配位子 / スピンクロスオーバー / 配位環境規制 / Fe(II)錯体 / クロム(III)錯体 |
Research Abstract |
新規錯体として、種々のピリジン誘導体を含む二核錯体[Fe(II)_2(NCS)_2(bpypz)_2(py-x)_2](bpypz-=3,5-bis(pyridin-2-yl)-pyrazolate)の合成に成功した。この錯体はNMRから、py-xとNCSがトランスに配位した構造と推定される。それらの磁化率測定から得られたスピンクロスオーバー温度T_cが、置換基xのハメット定数が大きくなるに従って、高温側になる事を見出した。吸収スペクトルから求めた配位子場分裂がxによって変わらないことから、ハメット定数が大きい電子吸引性置換基の場合、π逆供与性が増し、その結果、電子雲拡大効果が大きくなって、d電子間の反発エネルギーの減少をもたらし、結果としてT_cが高温側になるものと考えられる。py-3Br錯体の632.8nmレーザーでのラマンスペクトルのCN(NCS)伸縮振動のピークは、室温では、高スピン型錯体のみのものが観測される。T_cとなる150Kから80Kの領域で、ラマンスペクトルでは低スピン錯体の存在が観測されるが、80K以下では高スピン錯体のみになっている。同様の現象は典型的なスピンクロスオーバー錯体である[Fe(NCS)_2(phen)_2]で明瞭に観測できた。これは低温部では、完全なスピントラップによって、ラマン測定に伴うレーザー励起光照射で光誘起スピン励起状態トラッピングLIESSTが発現している。また、514.5nmレーザー照射によるラマン測定では、T_cより高温の200Kでも、低スピン錯体が見られることから、pseudo"Reverse LIESST"が初めて観測されたと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)