d-d/π-π競合系白金錯体における集積発光と機能
Project/Area Number |
12023234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (80214401)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ジイミン白金錯体 / 分子間相互作用 / π-π相互作用 / 白金間相互作用 / 集積発光 / 複核錯体 / 積層構造 / ベイポクロミズム |
Research Abstract |
ジイミン白金(II)錯体は集積することにより、金属間相互作用やπ-π相互作用に基づく特異な発光を示す。昨年までの本特定領域研究として,希薄なグラス状態でも集積発光が起こる錯体系や,π共役系分子を選択的に取り込む選別集積機能を持つ錯体系、配位立体障害による構造歪みのために発光状態が大きく変化した錯体系等を見出した。本研究では,特にこれらの系における発光変化を伴う化学的機能に注目して研究を行った。 1.ジシアノビピリジン白金(II)錯体のベイポクロミズムと結晶構造. [Pt(CN)_2(bpy)](bpy=2,2′-bipyridine)の赤色結晶(Red Form)は,白金直鎖構造を持ち,室温でも強い赤色の発光を示す。本研究で、この結晶が空気中の水分子に鋭敏に感応して起こる赤色【double arrow】黄色の変化、"vapochromism"を観測し、X線構造解析と発光測定からそのメカニズムを解明した。すなわち、Red Formは空気中の水分子を取り込んで黄色結晶(Yellow Form)に変化し、また、乾燥空気中や有機溶媒雰囲気下では、逆にYellow FormはRed Formに変化する。今回、新たに不安定なYellow Formの構造決定に成功した。その結果、Yellow Formのスタッキング構造は、はじめに予想されたような白金間距離が伸びた構造ではなく、横ずれをしたジクザク構造であることがわかった。 2.架橋配位子を含む(ポリピリジン)白金(II)複核錯体の合成と発光特性. 上記の直鎖構造系に対して、複核型白金(II)錯体は、溶液中でも白金間相互作用を保持した構造をとりうる系として興味深い。そこで、種々の架橋配位子を用いて(ポリピリジン)白金(II)複核錯体の合成を試み、ピリジンチオール類を架橋配位子とする一連の錯体、[Pt_2(bpy)_2(L)_2](PF_6)_2,[Pt_2(tpy)_2(L)](PF_6)_3(tpy=2,2':6'2"-terpyridine,L=2-pyridinethiloate ion等)を得た。実際、この錯体は結晶でも溶液中でも鮮やかな赤色を呈し、室温で強い赤色の発光が観測された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)