Project/Area Number |
12023240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
網代 芳民 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00025438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 貴行 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (00301333)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 低次元磁性 / 量子スピン / フラストレーション / 基底状態 / スピンギャップ / 相転移 / 金属錯体 |
Research Abstract |
低次元系において顕著に現われる量子スピン効果や相互作用の競合によるフラストレーション効果を実験的に究明するためには、理想に近いモデル物質を創出する必要がある。本研究においては金属錯体分子集合体を用いて理想的な低次元スピン系を実現し、多様な実験手段を駆使して量子効果と相転移に関する理論的予言を検証し、逆に、従来の枠組みでは理解出来ない新規な異常現象を発見して、理論的研究にインパクトを与えることを目的とした。研究計画にしたがってモデルとなる十分よく規定された多種多様な量子スピン系のモデル物質を数多く探索・合成し、あるいは合成化学者から試料の提供を受けて、磁化率、比熱、パルス強磁場磁化測定、高周波磁気共鳴、中性子回折、mSR実験を行った。具体的には酸素、窒素、ハロゲン原子を介した超交換相互作用を有する金属イオンCu2+(S=1/2)あるいはNi2+(S=1)から成る磁気鎖に環状有機分子を配位させて鎖間を遊離させることによって、S=1/2 Heisenberg反強性鎖、S=1/2交替結合鎖、S=1/2梯子鎖、S=1 Heisenberg反強磁性鎖、S=1/2とS=1から成る交互スピン反強磁性鎖等を合成し、系を特徴づける特異な磁場中挙動とくに量子スピン効果を反映したスピンギャップの存在と基底状態の性格を明らかにした。特筆すべき成果として、低温・高周波ESR測定によるS=1/2反強磁性ハイゼンベルグ鎖Cu-benzoateにおける磁場誘起ギャップと特徴的なbrether励起の直接観測、54Tに至る強磁場磁化測定による磁気リングFe12分子磁性体における量子エネルギー準位構造を反映した5段階磁化ステップの観測などがある。結果は既に学術論文や学会発表として部分的に公表した。
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